現在の米国IT業界を牽引する最大手4社Google、Apple、Facebook、Amazon。を総じてGAFA(ガーファ、と発音)と呼び、その脅威をヨハネの黙示録に登場する四騎士に例えたビジネス書『the four GAFA|四騎士が創り変えた世界』が売れています。

米国の大手IT企業たちを指し示す用語が乱立・・・

Google、Apple、Facebook、Amazon。現在の米国IT業界を牽引する最大手4社を総じてGAFA(ガーファ、と発音)と呼びます。以前はMicrosoftを入れて MAGFA(マグファ)と呼ぶこともありましたが、今ではすっかりMicrosoftの影響力は影を潜めてしまいましたね。広告を事業としている、というより世界のネット広告をほぼ独占していると言えるGoogleとFacebookをGF(ガールフレンド)と呼ぶこともあります。ガールフレンドには誰も勝てないってことですねw

また、FANG(ファング、と発音します。牙という意味ですね)という言い方もあります。これはFacebook、Amazon、Netflix、Googleで、ビッグデータ活用事業の強者という観点での命名です。ここでは動画配信サービスのNetflixが入ってきていますが、いずれにしても米国のIT企業大手たちの覇権が高まっていることを示すさまざまな略語が生まれているわけです。

FANG(ファング)は、2015年頃から米国の株式市場で使われるようになった、巨大ネット(ハイテク)銘柄群のことをいいます。これは、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)を提供する「Facebook(フェイスブック)」、世界最大のネット通販(電子商取引)を運営する「Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)」、世界最大の動画配信サービスを提供する「Netflix(ネットフリックス)」、検索エンジンやクラウドなどを提供する「グーグル(Google):コングロマリットのアルファベット(Alphabet)傘下」の4社の頭文字をつないだ呼称(造語)となっています。(fangには、「牙(きば)」という意味もあり)

基本的に、GAFAという場合は、ITもしくはクラウドを軸としたさまざまなビジネスモデルで世界市場に君臨しつつある4社をまとめる総称で、上述の用語の中ではもっとも総体的かつシンプルに強者を説明しています。
(MAGFAもそうですが、以降はMicrosoftのことは忘れましょう。シンパの方、ごめんなさい)

2018/08/07 追記
株価だけでいうとMicrosoftを入れてMAGA(Microsoft、Apple、Google、Amazon)に注目する見方もあるとのこと。Microsoftシンパの皆様、失礼いたしました!

GFは上述の通りネット広告市場における覇権、FANGはビッグデータ市場における覇権、という具合にある程度市場や事業が及ぶ範囲を限定した呼び方になります。

下の図は日経新聞がまとめたものですが、ビジネスモデルもしくは事業の違いだけでなく、ビッグデータを事業として捉えているかどうかの別でうまくGAFAを説明しているので、とても参考になります。2018年8月6日現在、米国企業として初めてAppleの時価総額が1兆ドルを超え、GAFAの中では頭一つ飛び抜けた感じになりましたが、Amazonもまたこれをしっかり追っています。
逆にEUが5月25日(現地時間)に施行したGDPR(EU一般データ保護規則)によって、ビッグデータ活用に対する強力な規制のターゲットとされたFacebookは大きく株価を下げたことは皆さんもご存じのことでしょう。
(日経の図では、データビジネスに対する比重が高いFacebook、Googleと、低いと思われるAmazonそしてAppleとを巧みに分けています)

ヨハネの黙示録の四騎士になぞらえられたGAFA

さて、『the four GAFA|四騎士が創り変えた世界』は、そのGAFAたちの巧みなビジネス戦略を解説するとともに、彼らが全世界、つまりは我々の生活そのものにどのような影響を与えているかを解説しています。

英語圏のこうした知的な書物のタイトルは、ギリシア神話や聖書にまつわるネーミングをすることが多く(逆に言うと、西欧文明をちゃんと理解しようと思えば、ギリシア・ローマ文明とキリスト教に関する知識を持っておく必要があります)、前回のポストで紹介した『The Intellectual Devotional』(邦題『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』)もやはりキリスト教徒ならすぐピンとくるセンスのあるネーミングでした。

画像: TSUTAYA 東京六本木店にて。ショールーミングの典型的行動を取ってしまった

TSUTAYA 東京六本木店にて。ショールーミングの典型的行動を取ってしまった

『the four GAFA|四騎士が創り変えた世界』では、新約聖書のヨハネの黙示録からの引用がなされています。

ざっくりといえば、四騎士はちょっと不吉な人たち(黙示録に記載されているのは、厳密には騎士というより、馬に乗ってきた人たち)であり、それぞれ支配、戦争、飢饉、死を司っています。

つまり、できれば近くにいて欲しくない人たちです。
黙示録では四騎士が現れて、それぞれが司る封印を解いていくことによって人間は絶望的な状況に追い込まれていきます。その後天使の登場によって最終的には人類は救われるのですが、四騎士によって相当数の人間は命を落とします。

つまり、本書は福音書ではなく、あくまでGAFAをかなり不吉な存在と見ているということがわかります。

逆に言うと、黙示録は一種の預言書であり、そのうち起こる恐怖の時代のことを話しているわけですが、本書の場合、少なくとも邦訳のサブタイトル(四騎士が創り変えた世界)を見る限り、すでに四つの封印は解かれちゃっているわけです。いやはや、大変なことです・・・。

タイミングを見て、知的なネーミングをつける勇気を捨てず勝負しないと

本書では、GAFAたちを以下のように表現しています。
Amazonに対する表記が一番適当wですが、それぞれの特徴をうまくとらえていますね。

本書では、GAFAがもたらす一種の災厄について解説するとともに、なぜ彼らがそんなにすごいのか、そして我々が学ぶべきところを多々説明もしてくれています。

その点は黙示録にならって、恐るべき災厄のあとにくるわずかな希望も書いてくれてるということでしょうか。

僕はその昔、AppleとGoogleの蹉跌、衝突を予言する本を書きましたが、時期的にかなり早すぎたと今では思っています。こういうのはやはりタイミングよく、しかもある程度賛同者が出て来た時期を見て出さないとダメですね苦笑。また、タイトルも、欧米著者のように教養溢れた洒落たネーミングを押し通す信念?がないとダメということを、いまさらながら痛感します。

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