定額型動画配信サービス市場において世界最強の企業Netflix。世界で最も成功しているサブスクサービスです。
世界一の成功事例があるならば、その事例をもたらしたアイデア自体が世界一なはずです。ならば、その世界一のアイデアをまずはパクることを考えるべきではないでしょうか。

優れた芸術家はまねをし、偉大な芸術家は盗む

週刊ヤングマガジン(講談社)連載の『喧嘩稼業』(作者:木多康昭先生)という漫画作品をご存じでしょうか。

画像: 木多康昭『喧嘩稼業』単行本第1巻発売中!! youtu.be

木多康昭『喧嘩稼業』単行本第1巻発売中!!

youtu.be

高校生ながら抜群の喧嘩センスを持つ主人公・佐藤十兵衛が、古流武術の富田流を習得し、世界の格闘技の猛者たちと死闘を繰り広げる話(シリアスなだけでなくて、コミカルな表現やサイドストーリーが多いのも特徴)なのですが、佐藤十兵衛はもちろんのこと、多くの登場人物たち(=格闘家)は、他者が持つ「これは!」と思うような必殺技をすぐパクるのが目立つのです。

佐藤十兵衛が修めた富田流には金剛という心臓を強く打って相手を卒倒させる突き技があるのですが、多くの格闘家たちがこれを真似ます。真似ることで防御法も身に付くという副作用のためでもありますが、有用な技術があればすぐ取り入れようとする貪欲さを皆が持っているのです。
パクリの本家(笑)はもちろん主人公の佐藤十兵衛で、とくにライバルの空手団体「進道塾」の秘技「煉獄」(下の動画を参照。劇中ではもっと速くて電光石火の連続技で、これを受けている間は打たれ続けて倒れることさえ許されないことから、”煉獄”という名称となった)を盗撮したうえで、師匠である入江文学ともにその秘密を解析し(5つの急所に向けて放たれる、7種類=左右14種類の型で構成される連続技であることを発見し)、自分のモノにしてしまいます。

しかも、彼らはその秘技を「富田流の煉獄」と臆面もなく吹聴し、恥ずかしく思うどころか堂々と、そしてどんどん使いまくるのです。盗人猛猛しいというか、まあ爽やかなくらいのパクリです。

とはいえ、かの天才芸術家パブロ・ピカソも「優れた芸術家はまねをし、偉大な芸術家は盗む」と言い放っているし、アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズもまたピカソの言葉を好んで引用し、すごいと思ったアイデアはどんどん盗む、となかば開き直っています。

画像: 喧嘩稼業「煉獄×武田梨奈」 www.youtube.com

喧嘩稼業「煉獄×武田梨奈」

www.youtube.com

逆に言うと、ピカソやジョブズにはるかに及ばぬ才能しか持たない身としては、とにかく少しでも器用に真似て、わずかでも上手に盗むことを心がけるべきではないでしょうか。

もちろんずば抜けて新しい、もしくは誰も思いつかないような素晴らしいアイデアを自ら思いつけるならそれはそれでいいですが、それなら最初から成功してますよね。

少なくとも、これから先行者にキャッチアップして、勝負を仕掛けて、勝とうと思うのであれば、その先行者がどうやって成功し、どうやって生き抜いてきたのかを徹底的に学習して、まずは真似てみる。そのうえで、その秘訣を盗む(パクる)ことを考えるのが先決だと思うのですが、なぜか多くの人は、完全にパクる前からどこかしら工夫を加えたり、改善(結局は改悪になることが多い)しようとして、ドツボにはまるのです。本当に不思議です。

いいアイデアやビジネスモデル、テクニックやテクノロジー、またはコンセプト。そういうモノを中途半端に真似る人が多いのですが、やるなら徹底的に真似て盗むべき。リアル富田流の継承者のごとく、徹底的にパクって完全に身につくまでは余計な工夫を加えないことが大事なんです。

入江文学も十兵衛も、煉獄を身につけるために必死にその秘密を分析し、練習しました。煉獄とは、「5つの急所に向けて放たれる、7種類(左右14種類)の型で構成される連続技」ですが、自分たちなりの煉獄を作ろうとはしていません。やがてはそうするかもしれませんが、完成している秘技を、安易な思いつきで手を入れて、グダグダにさせてしまう可能性があることを彼らは知っているのです。

次ページはいよいよ本題!
「ロールモデルを見つけたら、徹底的に真似て盗んでパクれ」

This article is a sponsored article by
''.