毎月第1・3木曜日(※)の夜に、THE FACTORYで行う少人数(原則定員10名)のワークショップ「Workshop@THE FACTORY」。今回は、オンライン雑誌書店Fujisan.co.jpを運営する株式会社富士山マガジンサービスのCTO兼マーケティンググループ長・神谷アントニオ氏をお招きして、2017年4月20日に開催したWorkshop Vol.04の様子を簡単に紹介します。
今回のテーマは「Webメディア担当者がおさえておくべきインターネットテクノロジ」です。
※ 2017年6月から毎月第3木曜日開催

メディアの動向を考える

画像: 神谷アントニオ(44歳) UC Berkeley で神経細胞生物学部を卒業後、Kamiya Consultingを起業し(現存)、ローカライゼーション(売却済)、 雑誌同梱用CD-ROM制作、情報システム開発および運用の受託開発事業に従事する。平行して日本の書籍輸入サービス Fujisan.com(売却済)、日本で最初の雑誌定期購読エージェント株式会社富士山マガジンサービス(現存)を起業し、それぞれでCTOを担当する。

神谷アントニオ(44歳)
UC Berkeley で神経細胞生物学部を卒業後、Kamiya Consultingを起業し(現存)、ローカライゼーション(売却済)、 雑誌同梱用CD-ROM制作、情報システム開発および運用の受託開発事業に従事する。平行して日本の書籍輸入サービス Fujisan.com(売却済)、日本で最初の雑誌定期購読エージェント株式会社富士山マガジンサービス(現存)を起業し、それぞれでCTOを担当する。

今回のゲスト講師の神谷さんは、雑誌の定期購読オンラインサービス Fujisan.co.jp を運営する富士山マガジンサービスの技術面を担当しておられます。「この事業に従事して15年になります」と神谷さんは口火を切りました。
海外のメディアやメディアライセンス事業などについて研究してきた神谷さんは、その経験からメディア企業やそこで働く人々に関係するであろう今後のテクノロジーのキーワードを共有していきたい、と語りました。

紙からレプリカ(電子書籍)、そしてWebへ

まず、雑誌というメディアは、紙 → レプリカ → Webという流れを踏んできた、と神谷さんは指摘します。レプリカとは、電子書籍のことです。要は紙の雑誌と同じレイアウト、コンテンツを持ったメディアになります。このレプリカは、ほぼ失敗といっていい、と神谷さんは言います。

このレプリカというメディアのモデルは、雑誌がそのコンテンツに対して有する著作権を、紙媒体と同様のレイアウトであれば、そのまま引き継げるという裁判所の判例からスタートしたコンセプトであると神谷さんは述べました。「海外では2003年ごろ、日本ではその数年後から、多くの出版社がレプリカモデルを手がけ始めた」とのことです。

しかしながら、スマートフォンの普及に伴い、多くの消費者にとっての情報を取得するファーストスクリーンはモバイルになっていきました。その結果、スマホの小さな画面でコンテンツを楽しむには、雑誌のレイアウトそのままを表示するレプリカモデルは不適格となり、消費者離れを生むことになります。こうしてレプリカは廃れ、メディアはWebを志向するようになるのです。

リボルバーの小川も「紙の雑誌は基本は縦型のレイアウトだが、見開きなど、物理的により大きく広く、横長のレイアウトを提示できる、実に立体的なメディアだったが、いまやスマホを横に倒してコンテンツを見てくれる読者はほとんどいない」と指摘します。

また、レプリカにはインターネット時代、ソーシャル時代において致命的な欠点があります。
それは以下の3つの要素を全く満たしていない、ということです。

・Actionable (実行可能である)
・Discoverable(発見可能である)
・Shareable(共有可能である)

レプリカとはPDFですから、そのデータを再利用したり、検索したり、部分的にソーシャルメディアで共有したりすることもできません。仮にレプリカをそのままオンラインにおいてURLを与えたところで、上述の3つの要素をクリアできません。単にWebに置くだけでは、雑誌は現代のニーズに最適化されるわけではない、と神谷さんは首を振るのです。

また、小川も「紙の雑誌のコンテンツは画像とテキストが分離されていないことが多い。PDF化された電子書籍であってもデザインとコンテンツが分離されていない」と言います。「また、Web化された時点で、TVやラジオなどの他のメディアとの競争にさらされるのに、動画や音声などのマルチメディア化に背を向けることになる」

神谷さん曰く、雑誌というメディアをWebで再現するならば、全く異なるレイアウトで、
・Actionable (実行可能である)
・Discoverable(発見可能である)
・Shareable(共有可能である)
という3つの要素を兼ね備える必要があります。例えばコンテンツとして紹介された商品をすぐに購入できたり、イベントに応募できたり(Actionable)、読者として情報を届けたい人が検索してすぐにたどり着いてもらえるようにしたり(Discoverable)、さらに良いコンテンツとしてSNSなどを通して他の人に紹介することができたり(Shareable)することが重要と神谷さんは言います。コンテンツというものは「知って試して生きる」と神谷さんは強調するのです。そのためにも、雑誌は今後、3つの要素を兼ね備えたWebデータを持つメディアになっていく必要がある、ということです。

小川もまた、リボルバーのメディアCMSであるdinoとは、「distributed interactive networking objects(分散型で、双方向性があり、ネットワーク化されたオブジェクト)」の略であり、神谷さんがいう Actionable / Discoverable / Shareable の3つを兼ね備えたコンテンツを作るサービスを志向してきた、と付け加えました。

そこで、と神谷さんは言います。
Fujisanは、雑誌をコンテンツの提供者としてのメディアだけではなく、イベントやコマースなどを兼ね備えた、消費者のライフスタイルに「知る、試す、生きる」ための意義を提供するメディアとして提案していきたい、と神谷さんはそのヴィジョンを語りました。

「結局のところ、雑誌の価値とは、ブランデッドインフォーメーション であることです」と神谷さんは言います。紙の雑誌は流通経路が限られ、書店やコンビニなどで対価を払って購入するため、読者からはその正確性や信憑性に疑いを持たれることはありませんでした。出版社と小売業者が信頼を担保していたと言えます。
しかし、Webにおいては、WELQ問題やフェイクニュース問題などの影響もあり、著しく不正確で信憑性に欠けるコンテンツが多く氾濫しています。そこで、今後はWebであっても、そのコンテンツの提供者に”信用と信頼”があるかどうか、ブランドであるか否かが重要になってくると神谷さんは指摘するのです。

レイヤー別の必要テクノロジー

以上を前置き、とした神谷さんは、多くの技術的キーワードを並べ、一つ一つ解説していきました。

前提として、誰もが理解しておくべきなのは、テクノロジーとは、
・アプリケーション(実際にユーザーが触れるソフトウェアのこと)
・インフラストラクチャー(ソフトウェアを動かす基盤、ネットワーク)
・プラットフォーム(異なるアプリケーション、インフラストラクチャーを支える環境)
の3つの異なるレイヤーがあることです。

神谷さんはこのレイヤーごとに、今後のメディアに必要なテクノロジーとして以下のものを挙げていきました。(ここでは一つ一つの解説は割愛します。興味のある方はぜひ検索してみてください。重要なことはそれぞれのキーワードを、神谷さんがどのレイヤーのものとして紹介しているか、であると考えます)

#アプリケーション

CMS

EC

CRM

DMP

Marketing Automation

AMP

#インフラストラクチャー

AWS / GCP / Azure

RDB / NoSQL

CDN

#プラットフォーム

OpenID

Social Network

Contents Network

AD Network


次回のワークショップは 2017年5月18日 19:00 - からです。

次回のゲスト講師:株式会社日立製作所マーケティング・コミュニケーション部 平尾穂高氏。
テーマは「日本人だからこそできる?人の『見たい!』をカタチにする、”見せないメディア”」です。
ご興味のある方は上記ページをご確認のうえ、ご連絡くださいませ。
定員10名となっておりますので、原則として先着順です。ご興味ある場合は、お早めに申し込みください

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