コンテンツマーケティングやWebメディアをテーマに定期開催している小規模勉強会「Workshop@THE FACTORY」。2019年10月17日に開催された第30回のレポートをお届けします。ゲストは株式会社パイプドビッツ パイプド総合研究所 所長 河田大介氏。テーマは『メール活用のためのコミュニケーション設計の考え方』です。

ゲスト講師:
株式会社パイプドビッツ パイプド総合研究所 所長 河田大介氏

河田 大介
自動車業界、通信業界、化粧品業界など、10年以上にわたりナショナルクライアント中心に様々なクライアントに対してデジタル領域においてCRMを中心としたコンサルティングを行う。
不動産業界やメールマーケティングのコンサル会社、広告代理店などに所属し、コンサルタント以外にも自社マーケや新規事業のマーケティングを担当したり、経営企画を経験している為、様々な視点、立場にあった支援が可能。

メールの有用性と消費者行動モデルの変化

ビジネスや日常会話において、普段どのようなコミュニケーションツールを使うことが多いでしょうか。昨今、スマートフォンの普及に伴いソーシャルメディアやネット通話など、さまざまなコミュニケーションツールが誕生しています。チャット形式で手軽にやりとりができる点から、LINEを使うケースが多い中、メールの活用具合は一日の中でどれくらいなのでしょうか。

平成30年度に総務省が出した統計によると、メールは幅広い世代に利用されており、特にビジネス世代である20代以上ではコミュニケーションツールとしてまだ利用者が多いということが認識できます。

「コミュニケーション手段としてのインターネット利用時間、行為者率」総務省 平成30年版 情報通信白書

www.soumu.go.jp

また、コンサルティングサービスを提供しているFinsight(フィンサイト)が2017年に実施した「企業・ブランドからの情報を受け取るプッシュ型チャネルへの意識調査」によると、よく利用する企業やブランドから情報を受け取りたいチャネルとして20代〜60代のどの年代においてもメールが最も多くなっているという結果が出ています。企業による消費者への接点としては、今なおメールの有用性が高いと言えるでしょう。

消費者行動モデルの変化に伴い、今までPCを使ってメールを見ていたところがスマホを利用して見ることが主流になってきています。現代の生活者は、テレビを見ながらスマホを操作するなど自分が消費できる情報量の何倍もの情報に日々接しているため、今まで以上に広告が邪魔で迷惑な存在になっていると言われています。

そのため、広告による情報提供は拒否する一方、情報を求めて必死に検索しているという現象が起きています。興味関心を持った情報を送らないと読まない、最終的には配信停止、ブロックなどの対応ができ、自分に合っていない情報は読まないといったことがすぐにできる時代になっているのが実態です。

では、消費者とコミュニケーションを続けるにはどうしたら良いのでしょうか。
そのためには消費者の興味関心を捉える必要があり、「シナリオ設計」が重要であると河田さんは強く主張されます。どのような設計が効果的なのか、必要な要素を整理しながら見ていきましょう。

シナリオ設計と消費者ステータスを捉える手法

シナリオ設計をするためには、具体的には3つのポイントにまとめられます。

  1. ターゲット(誰に)
    例)コミュニケーション開始前に、ステータスなど消費者の状況や属性を取得する
  2. コンテンツ(何を)
    例)消費者が必要としている情報(コンテンツ)を制作し、訴求軸を明確にする
  3. タイミング(いつ)
    例)関与度、検討度が高まっているタイミングでコミュニケーションを開始する

消費者から情報に興味を持ってもらうには、的確にターゲットを捉え、ターゲットが興味関心を持っているコンテンツを然るべきタイミングで配信することが効果的です。3つのポイントを掛け合わせ、属性のライフスタイルを考慮し、特に関心が高まっている時間に情報を配信することでメール開封率も上がると河田さんは主張します。

さらに最近では、スマホやタブレットなど消費者の閲覧状況が異なるため、どのデバイスでも見やすさを考慮した情報提供が必要です。文字が読みづらい、読めないなどの理由から、その時点で読むことをやめてしまう状態になってしまうため、見やすさも重要となってくるのです。

「今までの時代では、企業が発信したいサービスや商品情報などプロモーション情報が中心となっていましたが、今後は、消費者が知りたいと思う興味・関心情報の提供をし、共感や信頼から関係性を構築することへの変化が必要となります」と河田さんは解説します。

では、消費者のステータスをどのようにして捉えるのが良いのか?河田さんに具体的な方法を3つ、教えていただきました。

画像: メールコミュニケーションで重要となってくる“消費者ステータスの捉え方”をパターンに応じてご説明してくださる河田さん

メールコミュニケーションで重要となってくる“消費者ステータスの捉え方”をパターンに応じてご説明してくださる河田さん

  1. キャンペーン応募や資料請求申し込み時などのWebアンケート
  2. (顧客の場合)購買履歴情報など基幹DBで取得している情報
  3. メールやWebメディア内での行動情報

一番スタンダードな方法として、Webアンケートの活用が挙げられます。質問に対し直接消費者に答えてもらうため、興味関心に合わせたメール配信を行うことができます。

その他、Webメディアのコンテンツ閲覧履歴や訪問回数から興味関心や検討度を推測する方法。会員登録データを元に情報を提供し、その後のメディア内での行動を分析することで消費者のアクションデータを捉えます。

また、メール内でクリックするだけで回答ができるワンクリックアンケートは、アンケートに入力するより簡単で時間もかからないため、離脱率が低い。ワンクリックアンケートで興味関心や検討状況を把握し、その内容に合わせた私信メールを配信することで、より成約率が向上すると河田さんは述べます。

「消費者とコミュニケーションを行う上で、必要に応じてLINEで配信をするなどツールを最適化させることも必要です。情報過多のこの時代には、消費者が一目見て何を言いたいのか簡単に把握できる内容が望ましく、文字のみのテキストメールから文字の装飾や画像の挿入が可能なHTMLメールにするなど工夫が必要です。」と河田さんは指摘します。情報量は少なく、シンプル且つクリエイティブに制作することが重要となってくるのです。

次に配信の手段や活用方法について、実際の事例を交えながらお話してくださいました。

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