カメレオンは周囲の色に合わせて自分の肌の色を変化させますが、人間も自分が置かれた環境に合わせて自分自身を適応させようとする癖(へき)があります。実はこれが環境老化の原因だと思っています。

心性老化を引き起こす、身体性老化と環境老化

前回のポストで、「環境老化」という言葉を使いました。ふと思いついた造語です。老化というものは肉体の衰え以上に精神の衰えの方に、より重篤な影響があると僕は思うのですが、その原因になるものが環境老化だと僕は考えています。

モスキート音が聞こえなくなってくる耳の老化は20代後半から始まるらしいですが、目の老化=老眼はだいたい40代くらいから始まるようです。
四十肩、五十肩というように肩の関節の老化もまた、中年に差し掛かるくらいから始まるようで、つまりは肉体的な老化は加齢によって避けがたいものであるというのが定説ですね。

これらは身体性老化と呼ぶべきものかと思いますが、一般的に問題なのはこれらが引き起こすであろう心性老化の方だと思います。つまり、心の老化です。逆にいうと身体性老化はそれほど周囲に迷惑をかけませんが、心性老化はかなりの確率で周りの人にとってもウザい存在になるので要注意です。

心が老けるということは、新しい物事への関心も薄れるし、社会にコミットすることを面倒がるようになります。自分とは違う考え方を受け入れることを拒否したり、新しいトレンドへの好奇心を無くすことです。言い換えれば心が硬化して柔軟さを失う現象とも言えるでしょう。

心の老い、心性老化を引き起こすのは、おそらく二つの要因と思われます。一つはもちろん身体性老化です。特定の音が聞こえなくなってきたり、老眼で小さい文字が見えなくなってくると、新しい情報を得るのが億劫になったり、そもそも細かなデザインや様相の違いに気づけなくなりますから、物事を大雑把に捕まえるようになる。顕微鏡なしでは病原菌を発見することができないように、見えていないものの存在に気づけなくなるので、繊細で緻密な考え方ができなくなっていくわけです。

そして、もう一つが、冒頭に書いた環境老化です。
これは何かと言いますと、学生時代には若くて瑞々しい好奇心に溢れた仲間たちに囲まれて日々を過ごしていたものが、社会人になると徐々に人間関係も硬化してくるし、話題がどんどん少なくなってくる。クラスの中では新しいアーティストや映画、最新メイクやファッションのトレンドの話を至るところで聞けたものが、大人になると話すことといえば日々の業務のことばかり。あとは会社の愚痴w。人間というものは、周囲に合わせて自分を変えてしまうものです、ちょうどカメレオンが周囲に合わせて自分の肌の色を変化させるように。
そのこと自体は悪いことではないけれど、硬化した”老いた”環境に自分を合わせれば、自ら心を老化させていくだけ、ということになってしまうのです。

環境老化が進むと、外から自然に入ってくる情報というのがどんどん少なくなってきて、刺激が少ない毎日になってきます。忙しいからテレビも見なくなり、新聞も読まず、モバイルで見る情報はSNSやらGoogleやらのフィルターにかかって普段から興味あることだけに絞り込まれて、新しい視点を得ることが難しくなってしまっていく(いわゆるフィルターバブル)。

さらに日々のルーティン的な仕事からのストレスがどんどん好奇心を奪い、我々の心を老化に追い込んでいくわけです。言ってみれば、我々の生活環境自体がまず老いているわけで、それが身体性老化と共に心性老化を引き起こしていくのです。

老眼と同じで、入ってくる情報自体が少なく、妙に偏りがあるようになってくるわけで、刺激も相当に少なくなれば、精神が老いることを止めることはできません。まして、転職もせず同じ環境にずっといて、新入社員が入ってきても、自分の貴重な!経験と豊富な知識を授け与える対象としての部下が増えていくだけ。日々訓戒を与えることはあっても、相手から新しい刺激を得ようとも思わない。

ああ、迷惑・・・。

身体性老化が日々の摂食や運動によって幾分かは遅らせることができるように、環境老化の進行は、我々の考え方一つで遅らせることが可能です。というより、身体性老化の進行は遅らせることはできても止めることはできませんが、環境老化は止めるどころか逆行、つまり若返りをさせることだって可能です。

その方法の一つが、前回書いた「優秀な若者たちを集め多様性のあるチームビルディングをする」ということです。自分の環境を刺激溢れるものに変え、老いては若きに学ぶという姿勢を作ることが重要です。目が見えないなら耳を磨け。若者に対しては舌より耳となって向かい、彼らの話を聞け、ということです。

内に入ってくる情報が(量的にも質的にも)同じならば、それらを生かし正しい判断を引き出すために豊富な経験や知恵が生きるでしょう。逆にいえば、経験や知識があっても、新しい情報がなければなんの意味もないのです。

おっさん・オバハンは年齢だけの問題ではない

ニュースアグリゲーションサービスのNEWSPICKSの「【新】「おっさん社会」が日本を滅ぼす」という企画が話題になっていますね。

(あ、先に言っておきますけど、僕はこのおっさんという言い方が嫌いです。おっさんという言い方をする人も嫌いです。近寄らないでください)

権力を握る者、意思決定層が “おっさん”により独占されており、おっさんのおっさんによるおっさんのための社会が作られている──。
昨今、「日本型タテ社会」の限界を示唆する問題や事件が続々と表面化している。

上述のように、身体性老化と環境老化によって引き起こされた心性老化は、社会全体の硬直化につながるので、確かに甚だ迷惑です。

彼らの多くは確かに中高年以上の年齢層に入りますが、実際には20代でも心性老化を迎えている人も多いので、要注意です。例えば若者には◎◎オタクのように、一つの特定の分野については恐ろしく深く細かい知識を有するものの、その狭い領域のみに執着し、社会生活を送れないほどのコミュニケーション障害(いわゆるコミュ障)を患っている人もいます。これらも一種の老化だと僕は思います。何にも興味を持てないのも困りものですが、一つ事にこだわりとどまることも心の老いであると僕は思うのです。

そう言う人たちが社会の要所にいることは結果的に社会全体の動脈硬化をもたらします。その意味で、日本を滅ぼしかねないリスクがあるというのも納得いく話です。

ただ、このNEWSPICKSのキャンペーン自体は、そのネーミングといいイキリたった感じといい、登壇させられている面々の選び方といい、僕は正直好きでありません。

「心が老いる」を避けるためにも「心にオイル」。

話を戻します。

老化とは心と体が錆びつくこと。柔軟な動きを失い、本来あるべきパフォーマンスを失うことです。

僕はボクシングが大好きなのですが、世界のボクシング選手をみると、30代でピークを迎えるボクサーが多いことに少々驚いています。昔なら20代で引退するのが当たり前であった、激しいスポーツの代名詞のようなボクシングですが、ミドル級最強のゴロフキンは1982年4月生まれですから2018年現在で36歳。史上最高のテクニシャンとも言われるライト級のワシル・ロマチェンコも現在30歳です。また、ロンドンオリンピックミドル級金メダリストであり、WBA世界ミドル級チャンピオンとなったばかりの村田諒太選手も32歳。村田選手はこれからビッグファイトを狙っていこうというポジションであって、周囲も本人もまだまだピークを迎えるのは先のことと思っていることでしょう。

つまりボクサーのような激しい競技であってもトレーニングを節制次第で選手生命を伸ばせる、いわば老化を先送りにできるということですね。そうしたノウハウやメソッドがどんどん発見・解明されてきているということです。

さまざまな年齢層や性差、できれば国籍などを内包した多様性のあるチーム構成が大事である、と僕は思っています。そうした環境を作ることでチームは強くなる。
そして同時にそういう環境にいれば、自分たちもまた多様な刺激を受けて、老いを避けることができるのではないか、と思います。

朱に交われば赤くなると言うし、英語でも When in Rome do as the Romans do(ローマにあってはローマ人のように振る舞え=郷に入れば郷に従え)といいます。人間と言うものは、環境に応じて自分を調整していく生き物であるし、それを期待されるものなのです。

だから著しく老化した仲間に囲まれれば自分だって老いるものです。必要なことは老いるのではなく、心にオイルを常に足していくこと。それは多様性があって若い環境を作りその中に積極的に入ることです。

リボルバーはマーケティングテクノロジーを開発する企業です。世の中のトレンドを誰よりも早くキャッチし、それを取り入れていく。そのためには自分たちのスタイルや持ち味に変化が起きることも恐れないし厭わない。
速く、強く、しなやか。その状態を常に保つ、そのためにはどんなことでもする。そういう姿勢を持ち続けていかなければならない。経営者もマーケターも組織も、老いることを避けるため、さまざまなオイルを注入し続ける、自分たちが置かれた環境を常に刷新し続けなければならない。そう思っています。

と、いうわけで、若い精神と新しい能力・気概を持つ戦力、募集しています(笑)

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