だからと言って、今日を休業にするわけでもないのですが。オウンドメディアを持たずしてデジタルマーケティングを行うことはナンセンスという想い、初心を忘れずに精進していこうと考えております。
ソーシャルメディアマーケティングにはオウンドメディアが必要という考えから生まれたプロジェクト
リボルバーは、ソーシャルメディアマーケティングを円滑に行うためのクラウドサービスを開発していた会社からスピンオフしたベンチャーです。
当時、もともとソーシャルメディアで拡散するべきコンテンツを格納し、いつでも再利用できる”パーマリンク”を持ったコンテンツを量産するためには、オウンドメディア が重要であると考えていた僕は、ソーシャルメディアマーケティングを円滑かつ実効的に進めていく上でハブとなるオウンドメディアをWordPressで、ある意味スクラッチでお客様に構築する提案をしていました。
しかし、WordPressで一からサイトを作っても、すぐにデザインが陳腐化したり、新たに追加したい機能がでてきたりなど、製作したあとのメンテナンスにデザイナーやコーダーなどのリソースを使うこととなり、それらをお客様に外注してもらうとなると、少なくない予算を積んでいてもらう必要があることに僕はイライラしていました。
そこで、ソーシャルメディアのみならず、インターネットマーケティングを行う上で必要なデジタルコンテンツを簡単に作り、リーズナブルなコストで運営できるオウンドメディアを誰もが持つことができるようなプラットフォームを作ろうと決心したのです。
ただ、当時(2012年)はまだコンテンツマーケティングという言葉は一般的ではなかったし、いわんやオウンドメディアという言葉もまだ浸透していませんでした。そこで、僕はクローズドタイプのオウンドメディア、言い換えれば自分たちでコントローラブルなコミュニティ(プライベートSNS)を先に目をつけ、画像を中心に、スマホでの活用を軸としたファンコミュニティサービスを考案し、これをRevolverと名付けたのです。Revolverはクローズドなオウンドメディアであり、潜在顧客や消費者をファン化して、彼らとの自社ブランドのエンゲージメントを醸成するのはFacebookやTwitter上ではなく、自社メディアの上で行うべきだというコンセプトでした。
2012年当時、日本でも急速に認知され始めたFacebookは、企業をソーシャルに巻き込むことに熱心に取り組んでいました。だから多くの企業は、オウンドメディア=Facebookページという”誤解”をしていたと思いますが、FacebookがいまFacebookページをどれだけ冷遇しているかを思考えればFacebookというプラットフォームに依存しすぎることのリスクを今ならご理解いただけるでしょう。当時から僕は自分たちでコントロールできるメディアを持つことで、リスクヘッジすべきだと主張していたのです。
しかしながら、(非常に遺憾ながら!)母体であったソーシャルメディアマーケティングの会社の中では僕のアイデアは受け入れられず、僕はやむなく一部のメンバーと共にチームと袂を分かち、新たにリボルバーを興すことになりました。この時期の僕が抱えていた心労は今思い出しても嘔吐感を催すほどですが、そこに関してはここで語るのはやめましょう。
とにかく、過度に米国企業のサービスに依存したソーシャルメディアマーケティング は危険であり、オウンドメディアを持つことで健全化すべきという僕の根本的な考え方は当時から今に至るまで、全く変わっていない。GAFAを危険視する今の風潮は、僕から言わせると若干今更?なのです。
クローズドなオウンドメディアからオープンなオウンドメディアへ
こうして生まれたリボルバーでしたが、さまざまなタイプのお客様と商談を進めるうちに、クローズドではなく、オープンな、つまりエンゲージメントを高める前に、人々の耳目を集めるマーケティングやブランディング目的のオウンドメディアを作りたいというご要望を多く受けるようになります。
それが2014年あたりでしたでしょうか。
そこで、僕は開発チームと相談し、Revolverのソースを活用したうえで(WebFormatというコードネームをつけた)簡単にWebサイトを構築するエンジンを作ることにしました。
開発当時は、3分でWebサイトを作れる、という謳い文句でしたが、リリース時にこのエンジンにdinoというサービス名を与えたとき、僕らの方向性が決まりました。
フェラーリという車のブランドをみなさんご存じでしょうが、彼らはもともとV型12気筒という大きなエンジンを積む大排気量車しかフェラーリというブランド名を冠することを許さなかった。それが小さな排気量でより小さなエンジンとボディをもった中型車が将来主流になると考えた、(創業者エンツォ・フェラーリの息子である)アルフレード・フェラーリ(通称ディーノ=Dino。1932年1月19日 - 1956年6月30日)は、自ら推進者となってV6気筒の中型エンジンを積んだモデルの開発を進めたのです。
これが通称フェラーリ・ディーノと呼ばれる車なのですが、本来は先述のように12気筒でなければフェラーリとは名乗れないので、単にディーノというブランド名で市場に出ることになるわけです。
やがてV6はV8(8気筒)に変わりはしますが、現在のフェラーリはV12(フルサイズ)とV8(ミッドサイズ)の2ラインの販売をしており、ディーノの見立てが正しかったことが証明されています。
僕がWebFormatにdinoという名を与えたのは、Digital Interactive Networking Object(デジタルで、双方向性のあるネットワーク化されたオブジェクト)の頭文字をとったゆえですが、頭のどこかにアルフレード(ディーノ)・フェラーリのエピソードがあったからかもしれません。
簡単にWebサイトを作り、維持し、発展させることができる。そして作られたコンテンツは多様な分散型メディアやSNSでシェアされて拡散されても発信元が特定できて、どんな環境でも最適な表示を維持する。そんな仕組みをクラウドで(正確に言えばSaaSで)提供すれば、それは必ずや多くの人に支持されるだろう、と考えた。それはディーノがコンパクトなV6エンジンを搭載した小型フェラーリに対して描いた理想に重なるものだと思うのです。
やがてdinoは、企業専門の、頻繁に更新されるメディア専門のパブリッシングプラットフォームへと進化
ほどなくして、dinoは、単にWebサイトを簡単に構築できるだけでなく、大量のコンテンツを、Webやネットの知識があまりない人であっても迅速に作ることができるようなシステムへと進化しました。
そして、個人ではなく、法人が、世界に対して永続的に情報を配信するためのパブリッシングプラットフォームを目指すことになり、現在に至っています。
リボルバーというベンチャー企業が設立されて、早 7年。クローズドからオープン型へと変化はありましたが、僕らは相変わらずオウンドメディアを作り、運営するためのプラットフォームを作り続けています。
今ではサブスクに代表されるように、再び会員制≒クローズドタイプのメディアを志向するような企業も増えてきて、我々からすると、恐竜が鳥へと進化し、再び恐竜へと逆進化をしていくようなイメージをもったりしますが、とにかく、お客様のモチベーションの高まりとベクトルにしっかりついていって、よりよいサービスを作り続けようという想いは創業以来全く変わりません。
第8期に突入しているわけですが、これからも皆様のお声を傾聴する耳となり、より使いやすく、優れたサービスをご提供することに努めていこうと思っております。
引き続き、宜しくお願い申し上げます。