小野寺 華香(おのでら はなか)
株式会社リボルバー
プロダクト&プラットフォームビジネス本部
広告代理店勤務を経て2023年1月より株式会社リボルバーに入社。コンテンツマーケティングスイート「dino」の営業と導入提案に携わり、企業に対するコンテンツマーケティングの支援を行っている。
【入門】オウンドメディア施策を今すぐ始めるべき3つの理由
今回のお話はこんな方へおすすめ
- 「Webでの情報発信に力を入れていかないと……」と十分わかっているが、なかなか舵を切れない方
- 実際に着手するにあたり、もう少し情報がほしいと思っている方
- 社内で説明や説得する時の材料がほしい方
おさらい:オウンドメディアとは
オウンドメディアとは、ズバリ「企業が所有・運営するWebマガジンなど情報発信の場」のことを指します。さらに、具体的なオウンドメディアの特徴について、PESOモデルを用いて説明しました。
PESOモデルの中での比較
PESOモデルとは、「マーケティングにおける消費者との接点(媒体)の分類」のことです。PESOはそれぞれ
- P = Paid Media(ペイドメディア)
≒広告 - E = Earned Media(アーンドメディア)
≒取材など第三者による情報発信 - S = Shared Media(シェアードメディア)
≒消費者によるSNS投稿や口コミ - O = Owned Media(オウンドメディア)
≒企業が所有・運営するWebマガジンなど情報発信の場
を指します。
この中で、どこに・だれが・なにを・いつ、発信するかを比較することで、それぞれのメデイアの特徴を見ていきました。
上記のように比較してわかるとおり、オウンドメディアは、自社で所有する媒体に、自分たちの言いたいことを自分たちの手で発信することができ、その情報は長期的に蓄積されます。オウンドメディアは、PESOモデルの中でも最も自由度が高いメディアであると言えます。
一方で、オウンドメディア以外のメディアでは、情報を他所の媒体に露出していき、情報の発信者も自分たちではない場合があります。これにより、もともと意図したものとは違うことが伝わってしまったり、細かなニュアンスが伝わらなくなったりする可能性が高くなります。
広義と狭義のオウンドメディア
オウンドメディアについて理解を深めるために、最後に広義のオウンドメディアと狭義のオウンドメディアについてお話ししました。
広義のオウンドメディアはこれまでお話ししてきたとおり、企業が所有・運営するWebマガジンなど情報発信の場のことを指します。自分たちの言いたいことを自分たちの手で発信できる特性から、企業と顧客の関係性を矢印で表すと「企業→顧客」となります。このようなサイトの例として、コーポレートサイトや、サービス・事業のオフィシャルサイトなどが挙げられます。
狭義のオウンドメディアは、顧客にとって価値のある情報を提供して顧客との関係性を強めるWebサイトを指します。企業が自分たちの言いたいことを自分たちの手で発信できる、という前提はもちろん、そのうえで顧客からも求められる情報を発信する必要があります。これによって、顧客からの興味関心を集め、長期的な関係性を築いていくためのWebサイトです。この場合、企業と顧客の関係は「企業←顧客」となります。このようなサイトの例として、WebマガジンやWebメディアなどが挙げられます。
ここからは、オウンドメディアという言葉を、狭義のオウンドメディアと捉えてお話ししました。
オウンドメディアの効果
オウンドメディアの効果は大きく2つ。1つ目は、顧客にとって価値のある情報を提供することで、それをきっかけに顧客から興味を持ってもらうことが見込めます。そしてそれを中長期的に継続することによって顧客との関係を深め、潜在顧客から顕在顧客になってもらうことが期待できる2つ目の効果です。
具体的には次のような例が考えられます。
- 売上拡大を目的とした場合
自社商品と関連した情報などを紹介するコンテンツを公開する。
これを中長期的に行い、顧客と関係を築くことで、商品やサービスの購入を促進する。 - 採用強化を目的とした場合
業界情報やワークライフバランス、キャリア選択の話題などを紹介するコンテンツを公開する。
これを中長期的に行い、就活生と関係を築くことで、エントリーを促進する。
このように、目的によってさまざまな効果が得られるオウンドメディアですが、なぜ早く始めた方が良いのでしょうか?
オウンドメディア施策を今すぐ始めるべき3つの理由
資産の蓄積が大事
オウンドメディア運営の要となるのが、資産の蓄積です。顧客にとって価値のあるコンテンツは、1つ2つだけあってもあまり意味を成しません。顧客と接点を持ち続けるためには、もちろんコンテンツの質はきちんと精査したうえで、より多くのコンテンツを定期的に公開する必要があります。
そうして公開していったコンテンツは資産となり、どんどん新しい顧客の興味関心を呼ぶとともに、顧客との関係を深めるために役立ちます。しかし、短期間でコンテンツを量産することは難しいため、着手は早ければ早い方が良いです。
コンテンツマーケティングの基盤になる
コンテンツマーケティングとは、オウンドメディアのほかにもさまざまな方法で、顧客と中長期的に接点を持ち続け、顧客との関係を深めるマーケティング方法です。例えば、メールマガジンやSNSへの投稿、セミナーの開催や動画コンテンツの公開などがあります。コンテンツマーケティングは、それぞれ別の媒体でそれぞれのターゲットに合わせて発信できることが強みです。
しかし、なかでもオウンドメディアは、各媒体で発信した情報をまとめておくことが可能です。逆に、オウンドメディアの内容を抽出して、メルマガやSNSでの発信などに流用することもできます。このように、情報発信のハブとして活用できるオウンドメディアはコンテンツマーケティングの基盤といえます。
もしオウンドメディアより先にそのほかの施策から始めた場合、単体では効果が出るかもしれませんが、複数展開していった時に連携を取りづらくなります。そうならないためにも、まずは基盤であり情報のハブになるオウンドメディアから、最初に着手しておくと良いでしょう。
トライ&エラーが大事
ここまでの、オウンドメディアを今すぐ始めるべき理由を聞いて「これはしっかり考えてから作り込まないといけないな」と思われたかもしれません。もちろんそれも大事ですが、お伝えしたいのは、「まずは小さく始めてみませんか?」ということです。
例えば図のAのように、長い時間社内で検討を重ね、大規模なページを一気に公開するとします。見栄えや動線は、綺麗で素敵なページになるかもしれません。しかし、それが必ずしも顧客にとって使いやすいものなのか、顧客にとって価値のある情報を提供できているのかは、まだ反応がわからない状態です。
一方、図のBのように、まずは小さく始めてみる場合。ページを公開するたびに顧客の反応を見て検証と改善を重ね、顧客との関係を確実に深めていくことが可能です。こちらの方がより顧客・ユーザーにとって良いメディアに成長させることができます。