2024年5月29日、第8回オンラインセミナー『SaaS方式のCMSを選ぶべき3つの理由』を開催しました。今回はリボルバーの西 宏司が登壇。企業がSaaS型のCMSを選ぶべき理由について、3つの観点から詳しく解説しました。本記事では、その講演内容をレポート形式でお届けします。
画像1: Seminar #8『SaaS方式のCMSを選ぶべき3つの理由』(株式会社リボルバー 西 宏司)セミナーレポート

西 宏司(にし ひろし)
株式会社リボルバー
プロダクト&プラットフォームビジネス本部 本部長

パイオニア株式会社でマーケティング業務等に従事。2006年に独立・起業し、洋服のオンライン保管サービス「ドレスファイル・オンラインクローゼット」をローンチ。同事業を譲渡後、Web制作会社等を経て2014年にリボルバーに入社、現在に至る。

SaaSとは?

本セミナー『SaaS方式のCMSを選ぶべき3つの理由』は、SaaS型CMSを採用する際のメリットを理解するための基本知識として、SaaSの定義の認識共有から始まりました。

西は「SaaS(Software as a Service)」の定義を紹介し、その重要な特徴について触れました。SaaSは「必要な機能を、必要な分だけサービスとして利用できるソフトウェアの提供形態」であり、一般にはインターネット経由で機能を利用する仕組みとされています。この提供形態は「シングルシステム・マルチテナント方式」と呼ばれるものに基づいています。西は、この方式について「一つのシステムを複数の利用者で共有する形態」と説明し、これがSaaSの効率性やコスト削減のポイントであると強調しました。

続いて、SaaSとオンプレミスの違いについても解説しました。オンプレミスとは、企業が自社内でサーバーやシステムを構築し管理する方式です。西は、「オンプレミスではそれぞれのユーザーがサーバーを含めたすべてのシステムを管理する必要があるが、SaaSではサービス提供者側がシステムの大部分を管理する」と指摘しました。この違いにより、SaaSは導入や維持の負担が軽減される点で魅力的と言えるのです。

画像: SaaSとは?

最後に、SaaSの具体例としてGoogle WorkspaceやMicrosoft365、Salesforceなど、私たちの日常業務で頻繁に利用されているツールが紹介されました。これらは「ブラウザ上でログインすればすぐに利用できる点が大きな利便性」であると西は説明しました。実際に、今回のセミナーもSaaSであるGoogle Meetを活用して行われたという点は、参加者にSaaSの実用性を直感的に伝える好例となりました。

CMSとは何か?

続いて西は、「CMS(コンテンツマネジメントシステム)」に関する認識を共有するために、基本的な定義を説明しました。Wikipediaの定義を引用し、「CMSは、ウェブコンテンツを構成するテキストや画像などのデジタルコンテンツを統合・体系的に管理し、配信など必要な処理を行うシステム」であると解説。この定義に基づき、西は「CMSはもともとデジタルコンテンツを管理するシステムとして発展してきましたが、現在ではWebサイト全体を構築し、管理するシステムとしても広く認識されています」と述べ、CMSの役割が単なるコンテンツ管理にとどまらないことを強調しました。

CMSの種類と代表例

次に、西は代表的なCMSの例として、MovableType、WordPress、RCMS、arcxp、そしてリボルバーが提供する「dino」などを挙げました。「国内外にさまざまなCMSが存在し、それぞれに異なる特長があるため、どのCMSを選ぶかは目的に応じて慎重に判断する必要があります」と説明しました。

また西は、CMSの選択においては「静的」か「動的」かという観点も重要であると指摘しました。静的なCMSでは、HTMLやCSSファイルをサーバーに事前に用意し、ユーザーがアクセスした際にそのまま表示する方式をとっています。代表的な例としてはMovableTypeが挙げられ、「処理が単純なため表示が高速で、セキュリティ面でも比較的有利です」と説明しました。

一方、動的なCMSは、アクセスが発生した瞬間にサーバーがHTMLやCSSを生成して表示します。「動的CMSは、リアルタイムでコンテンツを生成するので柔軟性がありますが、サーバーの負荷が高いため表示速度においては不利な面もある」とし、WordPressやdinoがこのタイプに該当することを付け加えました。

画像: CMSの種類と代表例

オープンソース、パッケージ、SaaS型の違い

さらに西はCMSの提供形態に触れ、「オープンソース」「パッケージ」「SaaS型」の3種類に分類できると説明しました。オープンソースCMSは、ソースコードが無償で公開されており、基本的には無料で利用可能です。「WordPressは最も有名なオープンソースCMSの一つです」と紹介しました。

次に、パッケージ型CMSについては、企業が開発し、販売する有料のソフトウェアであることを説明。「パッケージ型は、企業がソフトウェアを提供しますが、ユーザー側でサーバー環境などを整える必要があります」と述べ、PowerCMSなどがこのカテゴリーに属すると解説しました。

最後に西は、SaaS型CMSについて言及し、「SaaS型は、クラウド上でサービスとして提供され、サーバー環境などもセットになっているため、ユーザー側でインフラを用意する必要がありません」と説明。dinoもこのSaaS型CMSに該当し、「導入が容易で、管理負担を軽減する点が大きなメリット」と強調しました。

CMSの用途と規模に応じた選択

最後に西は、CMSの選択は用途や規模に応じて慎重に行うべきだと述べました。「コーポレートサイトやECサイト、オウンドメディアなど、それぞれの用途に最適化されたCMSがあります」とし、dinoは特にオウンドメディア向けに最適化されていると紹介しました。

また、サイトの規模によっても適したCMSが異なると説明。「dinoは非常に優れたCMSですが、1日に数百ページを更新する大規模運用には向いていないケースもあります」と述べ、CMSの選定には慎重かつ総合的な判断が必要であると結論付けました。

このように、CMSの種類や特徴を理解することは、自社に最適なシステムを選ぶための第一歩となります。次のセクションでは、SaaS型CMSについてさらに深掘りしていきます。

SaaS型CMSとは?

これまで、SaaSおよびCMSについて説明してきましたが、では「SaaS型CMS」とはどのようなものなのでしょうか。西は、SaaS型CMSの構成について説明しながら、以下のように話しました。「SaaS型CMSは、サーバーや実行環境、プラットフォームまでをサービス提供者側が管理し、ユーザーは管理画面や公開サイトといった部分のみを管理する形態です」。この構成により、ユーザーはインフラに煩わされることなく、効率的に運用を行うことができるのです。

画像1: SaaS型CMSとは?

一方、オンプレミスで構築するWordPressについても言及しましたた。西は「WordPressにはクラウド型のWordPress.comもありますが、ここではオープンソースのWordPressをサーバーにインストールして使う場合を想定しています」と断った上で、WordPressで構築するサイトの環境を概念図を用いて説明。システムの大半をサービス提供者が管理するSaaS型CMSと比較して、ユーザーが管理する範囲が極めて広い点を明らかにしました。そのすべてを企業の一担当者が管理することは現実的でないため、制作会社やシステム会社への委託が一般的となっています。

画像2: SaaS型CMSとは?

SaaS型CMSは、技術的負担を最小限に抑えつつ、柔軟に運用できるという点で、企業にとって魅力的な選択肢となるのです。

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