「Workshop@THE FACTORY」。2019年6月20日に開催された第28回Workshopのレポートをお届けします。ゲストは株式会社Groove Gravity 代表取締役 上梨 能寛 氏。テーマは『門外不出!聞いても教えてくれない企業に於ける Social Media 利用方法トレンド大公開』です。

ターゲットと目的をしっかりと! ソーシャルメディア利用方法

集客のためのタッチポイントの理解とペルソナの分析

まず、集客のためには自分たちのお客様の趣味嗜好を理解することが重要であると上梨さんは強く主張します。具体的には以下3ステップにまとめられます。

  1. 自分たちのお客様のペルソナ(*)像を仮説化して、適切なターゲットの皆様へ
  2. 必要最小限の情報量で、理解いただくまでの時間をなるべく短縮し
  3. インパクトのあるアイキャッチで、ファーストコンタクトを獲得する

ペルソナ:企業が提供する製品・サービスにとって、もっとも重要で象徴的なユーザーモデルのこと。氏名、年齢、性別、居住地、職業、勤務先、年収、家族構成といった定量的なデータだけではなく、その人の生い立ちから現在までの様子、身体的特徴、性格的特徴、人生のゴール、ライフスタイル、価値観、趣味嗜好、消費行動や情報収集行動などの定性的データを含めて、あたかも実在するかのような人物像を設定するが、更にイメージを明確にするために顔写真などが用いられる場合もある。

ペルソナを検討する理由は「自分たちが届けるコンテンツは、どのような人に届くのか?」を理解する事です。例えば、趣味嗜好、年収、行動パターンから、生活スタイル、購買傾向等の特徴を、担当者全員でコンセンサスを得る事に意味があります。

検討するペルソナには、自分たちのコンテンツに対してのポジティブな要素は全く必要なく、むしろネガティブな傾向も理解することが必要です。

「例えば、年代別に考えるだけでも、編集者が40代男性で、20代女性をターゲットにしようとした場合、確実にジェネレーションギャップが発生します。これは年代だけではなく、全ての価値観に存在するギャップです。このギャップを埋めるために、ペルソナ像を熟考し、担当者全員がペルソナ像の価値観を共通理解とする必要があるのです。また、このペルソナ像は一人だけではなく、一つの事業に対して、五人以上の違うペルソナ像を検討する事がベストです。複数人のターゲットがいたとしても、共通する特徴等が発見できることも多々あり、意外にこの共通点がマーケティング施策の発見ポイントになることもあるのです」

さらに上梨さんは「ペルソナは数人ではなく、できるだけ「ターゲットのペルソナ像に近い人」を何人か用意した上で、担当者全員で検討する事が良いでしょう」と解説。理想形、自分たちへの贔屓はなく、本音の現実論で作っていく必要があります。この作業は単純な作業ではなく、完成した後でも適宜再検討し、バージョンアップしていくという行為も効果的です。

また、インパクトあるアイキャッチという点も重要です。例えばFacebookを活用する場合、投稿する写真の枚数で表示形式が異なります。上梨さんが携わった自動車メーカー ボルボ・ジャパンの車両アクセサリー販促の事例では、1枚目を大きく目立たせるために4枚に設定し、かつ使用シーンを想像してもらいやすいよう、商品単体でなくあえて車両にアクセサリーを適用させたイメージカットを採用しています。

上梨さんはこれらの説明に「エンゲージメントを獲得したいのか、コンバージョンを伸ばしたいのか、目的により打つべき施策は全く異なります。欲張らずに適切な設定を行いましょう」と付け加えました。

さて、ターゲットをしっかりと設定したら、生活者のスタイルに合わせて露出します。こちらも上梨さんは3つのステップにまとめてくださいました。

1. 生活者の生活スタイル(行動時間)に合わせ
2. 生活者の行動(行動方法)に合わせ
3. 嫌悪感の持たれない方法で露出をする

例えば「地上波放送で21時スタートの特定のドラマを観る人」に広告を観てもらいたいとします。すると、20:57はニュースが終わって次の番組までCMをやっているタイミングで、CMに興味を持たない視聴者の目はスマホに向かうことが推測できます。その時間にソーシャルメディアで発信することで、ターゲットを効率的に狙い撃ちすることができます。

「電車通勤の会社員は朝6-7時台からリーチがはじまりますし、ランチタイムは12時ではなく、実際にごはんを食べ始める前の11時半くらいがちょうどいいケースも。帰宅時間の18時以降を狙う場合もありますし、富裕層だと22-23時頃の深夜帯の反応が良かったりします」と話す上梨さんは、「送客を目的とする場合、通常のリンクでは分析できないので補助ツールを使いましょう。短縮URL生成ツールであるbitlyは時間帯による分析ができるのでおすすめです」と続けました。

ここであわせて押さえておきたいのがプラットフォームの特性。上梨さんは「Twitterは時系列順にツイートが表示されますが、FacebookとInstagramはエッジランクと呼ばれるアルゴリズムが採用されているため、友人との親密度やよく見るコンテンツのジャンル等により閲覧者に合わせた投稿が表示される仕組みになっています」と解説してくださいました。

TIps:機会損失を招くパターン

商品自体のターゲットが広い場合はソーシャルメディア上でも対象を絞りきれない場合があります。たとえばコンビニアイテムなど。

その場合、Facebookページで行った投稿(=オーガニックポスト)を使って広告を打つ(=オーガニックブースト)という手段が考えられます。オーガニックブーストに関しては、1投稿あたりに投資する金額は少額で構いません。上梨さんの経験によると「テストやチューニングを繰り返して制度を挙げていけば全体的に低コストで運用を行い、成果を出すことが可能です」とのこと。ただし、KPI 単価を下げたところで、すべての成果が回復する訳ではありません。エンゲージメント獲得目的なのか、送客目的なのか?等、目的に適したキャンペーンを行いましょう。

心理的な要因が多い離反は、PDCAを回して改善

集客の次の課題は離反の防止。コンテンツマーケティングにおける離反は心理的な理由が多いと考えられています。

高級車を例に考えてみると、「将来的には乗りたい・強く興味を持っているが、いまは経済的な理由で買えない」「高級車自体には興味があるが、専門的すぎるコンテンツにはついていけない」「サイトが読みづらい・重い」など、リリースしているコンテンツとターゲットの嗜好にズレがある場合があることが推測できます。

「ターゲット分析でコンテンツ内容を精査したり、導線の整理を行ったり、日々の活動レポートを評価しPDCAを回すことで解決の糸口を見つけることができます」と話す上梨さんは、参考までにレポートでどんな事が必要か?教えてくださいました。

Social Media の活動レポートとは

  1. 投稿されるコンテンツを「カテゴリ」化し、それぞれの成果と傾向を分けて分析をする。(Reach / Impression / 各反応(Like / Share(RT)/ Comment 等)/ 送客数( Click数 )等)
    ※各Social Media 共通
  2. Reach や Impression の数値を定点観測を行い、エッジランクが保たれているか確認する
  3. 各指標毎に平均僅差を算出して「重み付け」を実施し、「行動に対する質」を定点観測&評価する

前述したとおり、ソーシャルメディアと一括りにせずプラットフォーム毎の特性をふまえた定点観測とキャンペーンへの反映が必要です。

以上のように地道な改善を重ねていけば、メディア自体の拡大・資産価値の向上はもちろん、活用しているソーシャルメディアアカウントの商品価値も高まります。

上梨さんは「ソーシャルメディア広告は、みなさまが保持しているアカウントのフォロワーのソーシャルグラフデータを有利に利用して出稿することが可能です。従って、アカウントのアクティビティや、フォロワー情報は貴重な収益を生み出す財産となります」と解説。メディア運用との親和性も抜群で、メディア運用に対する新たな商品価値を生み出す事も可能です。ご興味ある方はぜひリボルバーまでお問い合わせください。

画像: ワークショップ後半では、参加者全員でお酒を交わしながらのメディア談義。会場だけの特別な情報もたっぷりの大充実な時間でした。上梨さん、ご参加いただいた皆様、まことにありがとうございました!

ワークショップ後半では、参加者全員でお酒を交わしながらのメディア談義。会場だけの特別な情報もたっぷりの大充実な時間でした。上梨さん、ご参加いただいた皆様、まことにありがとうございました!

次回は2019年8月15日(木)を予定しております

講師調整中です。サイト上にてあらためてお知らせしますので、いましばらくお待ちください。

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