運用における課題とは
ここまでの例を見ていくと、広告展開としてはとても効率のいい運用方法だと感じることでしょう。しかし、データドリブン広告運用にはあらかじめ理解しておかないといけない点もあるといいます。
リターンが見えづらい
何事も経営層を納得させないことには新しいことはできません。そのためには具体的な数値や期待値というものを用意しないといけないのですが、データドリブン運用の場合は、はじめてみないことには効果がわからない、見えづらいという点があります。これに対しては、「過去の実績などを基に説明を重ね経営層に意義を理解してもらうしかありません」と清家さん。
利用ツールの判断・担当の割り振り
オンオフのデータ、そしてAIといったテクノロジーを活用、といえば聞こえはいいですが、どのテクノロジーがその企業に適しているのか、運用方法にもっとも効率的なものはなにか?という判断をしなければなりません。また、会員IDの整備や情報の置き場所など、一朝一夕でできることではないため、運用をはじめるまでに準備期間が必要な点も注意が必要です。
運用のメリットとは
データドリブン運用のメリットとはなんでしょうか?
これまでのお話をまとめると、
- データに基づいた施策を立てられる
- 限られたコストを最大限活用できる
- 得たデータは今後の企業展開の指標になる
ということが分かります。また、データを可視化し共有することで、これまでKKD(勘・経験・度胸)で決めていたような旧態依然とした方法が無くなることもメリットだと清家さん。
上記は、ショップやメーカーの販売戦略だけでなく、オウンドメディアに対してもとても有効です。これまでもGoogleアナリティクス の活用などで年齢や性別、地域といった情報の入手は可能でしたが、あくまでもそれらはユーザーの一側面のデータに過ぎませんでした。
データドリブンマーケティングを活用し、なぜメディアにたどり着いたのか? その記事をなぜ読んだのか? どういったユーザーが自社メディアに適しているのか?などが分かれば、よりメディアとして成長を促すことができるでしょう。
自社のメディアが行き詰まっている、より効果的にマーケティングしたい……など、これまでデータを活用しきれていないと感じている担当者のみなさんは、ぜひともデータドリブン広告運用を考えてみてください。