コンテンツマーケティングやWebメディアをテーマに定期開催している小規模勉強会「Workshop@THE FACTORY」。今回は、2021年2月18日に開催した第41回のレポートをお届けします。講師としてお越しいただいたのは、ノアドット株式会社 CEO(最高執行責任者) 中瀨 竜太郎氏。テーマは「目を向けるべきはコンテンツよりも『チャネル』 〜情報爆発時代に収益性を上げるには〜」です。

中瀨 竜太郎
1975年4月生まれ。千葉県浦安市出身。サンパウロ日本人学校、慶應義塾大学卒業。98年4月より日経BP社でPC誌の編集記者。2005年10月にヤフーに入社し、トップページ編集やトピックス編集を経て、12年9月に個人の執筆者向けプラットフォーム「Yahoo!ニュース – 個人」を立ち上げ。13年11月に共同通信デジタル(一般社団法人共同通信社の100%子会社)に入社。15年4月に共同通信デジタルとヤフーの出資を得て、ノアドット株式会社を設立。

ノアドット株式会社は、デジタルメディア運営で一般的とされてきた「コンテンツ流通経路の開拓」と「マネタイズ」の手法に一石を投じるべく誕生した企業です。同社が展開するサービス『ノアドット』は、多くのWebメディアが課題とする流通拡大とマネタイズを、従来と異なる手法で実現できると今注目を集めています。

講師としてお越しいただいたのは、同社の代表を務める中瀨竜太郎氏。今回は「目を向けるべきはコンテンツよりも『チャネル』 〜情報爆発時代に収益性を上げるには〜」と題し、日本のメディアの軌跡を踏まえながら、これからのデジタルメディアとはどうあるべきか? についてお話いただきました。

デジタルメディアの軌跡 「人を集める=PVを上げる」という考え方

中瀨さんによると、これまで日本のデジタルメディアは、広告視聴による収益や会員ビジネスの収益向上のため「Webメディアに人を集める=PV(ページビュー)をあげる」ことに注力してきたといいます。

その方法のひとつが、自社コンテンツを大手流通事業者に提供し、関連記事のリンクから自社メディアへトラフィックバックをはかるというものです。これは多くのWebメディアが行ってきたPV施策の定石であり、マネタイズの土台作りとしては間違いではありません。

しかし、この方法で幾分かの収益を獲得できたとしても、このアプローチには「メディアとして本質的な価値を失う側面がある」、そして「メディア産業全体の持続可能性を失わせてしまっている」と中瀨さんは訴えます。

今回の講義では、これらを解決するための方法をお話いただくわけですが、まずはどうしてそうなってしまったのか?という背景から解説いただきました。

参入障壁の消滅で一変したメディア産業

インターネット(以下、ウェブ)が登場してから約30年。4大マスメディアに次ぐ新たな情報流通媒体の登場で、メディア産業の構造は大きく変化しました。それが「参入障壁の消滅」です。

画像1: 参入障壁の消滅で一変したメディア産業

ウェブ登場以前は、映像を発信したり本を作ったりすることは個人では難しく、ましてやそれらを流通に乗せることは設備投資がしっかりできる企業でないと不可能でした。これがメディア事業における障壁の一つであり、たとえ参入できたとしても、古くからの商慣行(実績や信頼)といった障壁もあり、新規参入は一筋縄ではいかないのが現実でした。

しかしウェブの登場や技術の発達により、これら障壁は消滅。スマホや自宅のパソコンから誰もが簡単にコンテンツを作り発信できるようになったのです。その結果起きたのが、コンテンツの爆発的増加によるコンテンツの供給過剰でした。

コンテンツが溢れたことで情報の希少性が失われ、やがて経済原理で価格が下がる。すると次第に無料化の圧力がかかり、結果として無料サービスや定額見放題というコンテンツの波が押し寄せます。

画像2: 参入障壁の消滅で一変したメディア産業

一方で、人の時間は昔と変わらず1日24時間のまま。つまり、自由に使える時間を無数のメディア同士が奪い合う状況になっているわけです。こうなるとメディア側としては単に待ち構えているだけでは通用しませんから、どうやってユーザー側に近づいていくか、ということが重要になっていきます。

解くべき問題とは?

この状況で解くべき問題は下記の2つだと中瀨さんは言います。

  1. どうやって流動性を上げるか?
    コンテンツの供給過剰の中で、いかにコンテンツの波の中に入り込み、摩擦係数ゼロで読者のまわりに流すのか?
  2. どうやって収益性を上げるか?
    発信者が増えたことで広告枠も増え、その希少性も低下。一事業者あたりの収益が減っている中でいかに稼ぐのか?

2に関して中瀨さんは「マネタイズにおいてはその収益額も重要ですが、効率面の観点からその収益性にも注目するべきです。ウェブ以前と比べてプレーヤーが増えたことで1社あたりの収益額は減っています。つまり、いかに効率化を図りコストを抑えて利益を確保するか? が重要になってきます」と補足します。

この問題に対してノアドット株式会社が出した答えが『メディア同士のコラボレーション』です。

コラボレーションでコストを共有

画像: コラボレーションでコストを共有

中瀨さんは、少しでも収益性を上げるためにまずはコストを減らすこと。つまり“コストの共有”が必要だと言います。ここでいう「コスト」は2種類。それが「コンテンツを作るコスト」と、「コンテンツを届けるコスト」です。

コラボレーションで共有するコストとは?

  • コンテンツを作るコスト
    自らの取材網では制作がまかなえないコンテンツを、調達コスト0で誰かから使わせてもらう。
  • コンテンツを届けるコスト
    自らの既存チャネルだけでは流通させきれないコンテンツを、チャネルの開拓コスト0で誰かに流してもらう。

上記2つのコストを、Webメディア同士で補填しあう。これこそが、ノアドット株式会社が提供するサービス『ノアドット』なのです。

ノアドットの仕組み

ノアドットのサービスは、コンテンツとチャネルを互いに提供しあうことでコンテンツ流通を最適化するコンテンツ共有プラットフォームです。ここではその仕組みについて解説いただきました。

まずノアドットには「コンテンツホルダー」と「キュレーター」と呼ばれる2つの役割があります。

  • コンテンツホルダー
    コンテンツを提供する人(メディア)。作ったコンテンツをノアドットに入れて、他メディアに記事を提供する
  • キュレーター
    コンテンツを届ける人(メディア)。提供されたコンテンツから自社メディアに必要な記事を配信する

この二者間でコンテンツとチャネルをシェアするのですが、ノアドット最大の特徴は、配信したコンテンツが閲覧されると、コンテンツホルダーとキュレーターの両者に収益が発生するということです。このときの収益分配はコンテンツホルダーが61.8%、キュレーターが38.2%。これはコンテンツホルダーやキュレーターが大手報道機関でも個人でも関係なく一律です。

画像: nordot.app
nordot.app

コンテンツ共有・配信・収益発生の流れ(上図の解説)
① コンテンツホルダーは制作した記事をノアドットのウェブサーバーに入れます。

② キュレーターは自社メディアを通して届けたい記事をノアドットから探し、該当記事の見出し(記事タイトル・メイン画像1枚・記事の本文冒頭50字)を取得します。

③ キュレーターは取得した見出しを、自身のチャネルを使って配信します。

④ 配信された見出しを読者がタップすると、当該コンテンツのHTMLページ(広告含む)がノアドットによって作成され読者に配信されます。

⑤コンテンツ閲覧に伴って発生した広告収益を、コンテンツを「作った」コンテンツホルダーと「届けた」キュレーターとで分け合います。

では、ノアドットを活用しているWebメディアはどんな使い方をしているのでしょうか。実際の運用例を見てみましょう。

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