あまりの炎暑でげんなりしてませんか?(あ、自分のことか)そんな暑さに負けずに気合いを入れなおすために今回のブログを書いてみました。
比較的小規模、であるという共通点がある中小企業とベンチャー企業ですが、この二つを分ける大きな違いとはなんでしょう?それは前者(中小企業)は”生存”を目指すのに対して後者(ベンチャー)が”成長”を目指す、という違いだと思います。

企業のDNAに刻まれた至上命題:生存か、成長か

あまり詳しくないのですが、現在夏の甲子園が行われており、毎日大熱戦が繰り広げられているようです(しかも記念すべき100回目の開催 & 平成最後の大会なんですね)。

野球にはキャリアパスのようなものが明確にあり、現在のプロ野球の球団の一軍にいるような選手のほとんどは小学校時代からの知り合いばかりなんだそうですね。例えば二刀流の大谷翔平選手も小学生の時から注目され、順当に成長してきた選手なのだそうです。高校デビューとか、大学デビューのように、途中で野球を志せるような隙間はほとんどなくて、プロの野球選手になるには小学校時代からリトルリーグやボーイズリーグのような団体に所属して、頭角を示しておく必要がある。そして中学時代にさらに才能に磨きをかけて、甲子園の常連校のような有名高校にスカウトされ、やがて全国にその名を知らしめていく、という流れがあるそうです。

つまり、野球が好きで、草野球でもいいから続けていく、という付き合い方と、とにかく名を挙げてプロになり金を稼げる選手になるという野球への向かい方では、入口から出口までまったく異なるプロセスとスキームがある、というわけです。

ある意味、起業する、つまり自分で興す事業で生きていく、というスタイルにもまた、野球同様の大きな違いがあります。それが中小企業とベンチャー企業の違いです。

自分が起業する時、一生好きな仕事で生きていく、ということを目標にするならば、それは”生存”し続けること(サバイバルと言ったほうがわかりやすいかも)を目指す、ということになります。
誰もが知る大きな会社(大きな、という意味には従業員の数だったり売上高だったり諸々な解釈があるでしょうが)にしようなどと考える場合は、”成長”を目指す、という意味になるでしょう。

日本において、新たに興した会社の3年後の生存率はわずか30%とのことですから、大抵の企業は生き残ること、生存することを最大の目標にするのも当然ですが、ことベンチャー企業の場合は、企業当初から生存ではなく、成長、それも急成長を目指していなければなりません。

逆にいうと、急成長を目指す、という至上命令を起業当初から宣言しない企業はベンチャーとは言えない。”成長”というキーワードを自らのDNAに刻んでいる企業こそがベンチャー企業、であるのです。

プロ野球選手のほとんどが、初めてグローブやバットを持ったときからプロを目指そうという志を持ち続けたかつての少年たちであるように、ベンチャー企業を興す起業家の多くもまた最初から急成長を果たすためのキャリアパスを辿っていこうとする、極めて似た軌跡を歩む者たちなのです。

中小企業・ベンチャー企業の経営者が果たさなければならない約束とは

ほとんどの(ベンチャー企業の)起業家の場合、エンジェル投資家やVC(ベンチャーキャピタル)などからの「資金調達」を受けます。効率の良い資金調達と活用のための設計書である「資本政策」を持ち、「ビジネスプラン」(=事業計画。どんな事業を興してどんな課題やニーズに対応するか、どのような方法で収益をあげるか、などの戦略を明記)を必ず作ります。

大抵の中小企業の場合は起業にあたって、自己資金が足りなければ知人や銀行から融資を受けて会社を作り、経営上お金が足りなければまた銀行の融資に頼る、という形が多いと思いますが、ベンチャー企業の場合融資ではなく出資に依存します。出資者を募る(会社の株式を持ってもらう)、ということは借りた金を(利子はつけるにしても)返却するのとは違って、ある程度まとまった金額(まあ、ざっくり数倍)にして儲けさせなければなりません。

お金を借りるときは、その返し方(毎月返すとか、期限を決めて一括で返済するとか、利子をいくらにするとか)を決める必要がありますが、出資の場合はIPO(新規株式公開)かM&Aされて会社を売却するかして、出資者が受け取った株式を現金化するチャンスを作る必要があります。

非上場企業の株式は、自由に売買できない、つまり流動性がありません。株式に流動性を持たせるイベント(IPO or M&A)をなる早で実現して、投資してくれた人たちに株式を売ってお金にする≒儲けさせること。それがベンチャー企業を興した起業家の責務です。そのために、会社を急成長させて、なるべく早くこのイベントを通過しなければならないのです。

要するに中小企業の経営者は融資してくれた人にはキチンと利子をつけて返済し、従業員には安定し生活を提供するという約束を果たさなければならず、ベンチャー企業の経営者は出資してくれた人に株式を現金化する機会を提供し、従業員にはロケットに乗ったかのようなダイナミックな成長物語(アメリカン・ドリーム的なw)を味わってもらえるという(もちろん安定した生活も)約束を果たさなければならないのです。

両者の約束の重みに変わりはありませんが、種類が違う、ということです。

成層圏を抜けて宇宙空間に飛び出す気概を。

中小企業とベンチャー企業は似て非なるもの。それは同じ飛ぶために作られたとしても、飛行機とロケットの構造(や目的)が全く違うのと同じです。

そう、ロケットが成層圏を抜けて宇宙空間に飛び出るためには、とにかく引力を振り切るだけの推進力が必要です。ベンチャー企業が”株式に流動性を持たせるイベント”を早期に実現させるためにも、似たような推進力が必要になります。

この推進力がやっかいなのは、起業家≒経営者だけがその気であってもダメってことですね。
従業員、ステークホルダーすべてがその気になってくれないと十分な推進力が得られません。逆にいうと、起業家としては、関係者全員を巻き込む覚悟とリーダーシップを要求されるってことです。暑さになんか負けてちゃダメってことですねw

そんなこんなを何年か前に本に書きました。
ほんとは「スタートアップ!」みたいな感じのタイトルにしたかったんですけど、編集部に蹴られました。今でもこの点については後悔しています。

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