お客様の信頼を勝ち得るプロセスを恋愛に例える書籍も多く発刊されていますが、自分以外の他者との親密度をアップさせるノウハウや論理を知っておくことはいいことだと思います。
コンテンツマーケティングとオウンドメディアが必要とされ始めた理由
ところで、最近は従来広告または広報を通してコンテンツの掲載を行なってきた対象であるマスメディアの没落が話題になっています。
テレビも新聞もラジオも雑誌(つまり四マス)も、どれも売上を大きく落とし、市場は縮小一方です。
つまりマーケティング側から見ると、広告にしても広報にしても、努力して(あるいはお金を使って)それらメディアにコンテンツを掲載してもらっても、消費者(またはターゲット層)に届かない、つまり意味がないということになりかねない。
これが、コンテンツマーケティングにおけるオウンドメディアが大きく存在感をのばしている理由です。マスメディアにコンテンツを掲載しても効率が悪いなら、作ったコンテンツを掲載するメディアを自分で作ろう。オウンドメディア(Owned Media。自分で作って自分でコントロールできるメディア)を作れば、そこにコンテンツを掲載して、アーカイブできます。
意欲と予算を持つ企業がオウンドメディアを作り、コンテンツマーケティングに取り組むのはこうした理由からです。
さらに、そのオウンドメディアに貯めたコンテンツをターゲット層に届けるために、ソーシャルメディア(SNS)や、グノシーやスマートニュースなどのアグリゲーションアプリ、もしくはそれら全体のプラットフォームであるモバイルに最適化していくことがトレンドとなってきているわけです。
目的に応じたやり方を考えましょう
さて、話を戻します。
モリス先生は、別れやすいカップルと長続きするカップルの違いを、親密度の12段階をきちんと辿ってステップを踏んでいるか否かで測りました。
同時に僕は、即効性(別れやすいかもしれないけど、とにかくカップル成立を優先)を求めるか、永続性(カップル成立しない場合も多そうだけど成立したら長続きすることを優先)を求めるかを考えるべきとも書きました。

これをマーケティングやブランディングになぞらえてみると、即効性(とにかく新規顧客獲得、受注優先。もしくは受注金額の最大化)と永続性(顧客との関係の強化、ロイヤルティの獲得)のどちらを求めるのかを考えろ、ということになります。
僕が思うに、即効性と永続性は、うまく混合して配分比を考えながら同時に進めるべきだし、それがオウンドメディアを利用するコンテンツマーケティングの本分なのですが、その配分自体はお客様次第というか、状況によります。
ただ、どんな状況であっても、コンテンツマーケティングを行ううえでは、常に即効性と永続性のいずれかを偏重することなく、バランスを考えていくべきです。
そのことを忘れることのないように、何度でも強調しておきたいと思います。

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。
ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。