毎月第3木曜日の夜に、THE FACTORYで行う少人数(原則定員10名)のワークショップ『Workshop@THE FACTORY』。第22回目となる今回は、ジャーナリストの(株式会社リボルバーの社外取締役でもある)林 信行氏による「スマートフォンの誕生で激変した我々の社会」、そして代表取締役CEO 小川浩による「パブリッシャー版Netflixを目指せ〜サブスクリプションモデルによるメディアビジネスの可能性」2つのテーマにて開催しました。

世の中にさまざまな革命を起こしたインターネット技術

たとえば、クラウドファンディングの登場でお金の集め方は大きく変わりました。いままで一般的には銀行などから借りたり、ハイリスク・ハイリターンでの資金調達しか方法はありませんでしたが、事業目的や発案者のスピリットやヴィジョンに共感してもらったり、お金だけではないさまざまな特典を用意することで、インターネット経由で不特定多数の支援者を募ることができるようになりました。

製造技術で言うと、3Dプリンターの進化により、マス・カスタマイゼーションと呼ばれるようなひとりずつの個性に合わせながらも適量生産を可能とする生産方法が可能となりました。
「用途はアートばかりではありません。見た目だけでなく複数の栄養素を含んだ食品を完成させたり、医療分野でも個人にあわせた骨や臓器など大きな活躍を見せています」と話す林さんは、一枚のスライドを見せてくれました。

画像: ぜんぶ3Dプリンターで作成されているのです。

ぜんぶ3Dプリンターで作成されているのです。

左上の女性が着用する衣装は3Dプリンターならではの表現が施されています。右上の丸い物体はチョコレートを使ったスイーツですが、中にはさまざまな味が!
左下のような完全にパーソナライズ対応された頭蓋骨もあります。

あなたはAIに触れたことがありますか?

一見すこし自分と距離があるところで起こっている気がする最新技術の進歩とその恩恵。わたしたちに直接的に関係があるものは一体なんでしょう?

ここで、林さんからワークショップ参加者にひとつの質問が投げかけられました。

それは「あなたは今週AIを何回使いましたか?」というもの。

AmazonのAlexa(アレクサ)などのAIスピーカーなど、AIと言われて思い浮かべるものはさまざまあるかもしれませんが、最も身近なのは間違いなくスマートフォンを通して使う人工知能でしょう。

たとえば「スマートフォンのインターネットブラウザで、学校の名前を検索する時、AIが瞬時に”ここに行きたいのだろう”と“検索した目的”を予測し、道順など使い手が欲しい情報に限りなく近いものを表示させるように導いてくれています」と話す林さんは、他にも顔認識やテキスト検出などiPhoneが標準で備えたAI機能をいくつも紹介しながら次のように続けました。「昔“インテル、入ってる?”というコピーの(意識してなくてもあなたのPCにインテルは使われていることを示す)広告がありましたが、いままさにAIが同じような状態となっているのです」

AIはいま機械学習ブーム?

林さんによると、現在はAI分野の中でも機械学習(与えられた情報をもとに学習を重ね、自律的にルールや法則などを見つけ出す手法・プログラム)がブームを迎えているとのこと。

AIに1枚の写真を見せると各要素を認識して「群衆の中で女性がカメラを持っている」と文章で表してくれるようになったとMicrosoftから発表されたのが2015年。
その翌年、オープンソースのTensorFlow(Googleが開発した機械学習のソフトウェアライブラリ)を使ってオリジナリティあふれる作品を生み出す人が続出し大ブレイク。

アイドル顔認識キュウリの仕分け偽漢字生成 など、もはや大喜利のように楽しい試みが数多く飛び出した、と林さんは語ります。

そして、さらに2年後となる2018年現在は、認識能力の高さにさらに磨きがかかっている、と林さんは続けます。「たとえば椅子をAIに見せると、その形状などから用途を考えることで、どのくらいの大きさの物体であるのか、などということまで予測してくれるレベルにまで達しているのです」

また、Googleが提供する「Google Arts & Culture」アプリでは、そのような技術を応用して自分の写真とそっくりなアート作品を探すことができます。

こちらはGoogle Arts & Cultureアプリ。一見の価値あり。

https://artsandculture.google.com/

多岐にわたるAI活用方法

AIの活用方法は画像認識だけではなく、画像や映像を合成することも可能になっている、と林さんは言います。

例えば、インテルが提供する「インテル® True Viewテクノロジー」では、視界360度のLIVE映像を楽しむことができます。アメリカのナショナル・フットボール・リーグでは、スタジアムに何十個もの5Kカメラを設置することで、まるでフィールドの中や真上にいるかのようなアングルから、またフィールドのあらゆる場所から試合を堪能できてしまうのです。

(下記映像の2分10秒あたりから体験できます。ぜひご覧ください!)

さらに映像合成に音声を組み合わせることもすでに実現している、と林さんは続けます。

ワシントン大学が2017年に発表したのは、なんと音声データから口の動きをリアルに再現するシステム!
これは本人は発言していない言葉を自由に”アテレコ”できてしまう技術で、使用する場合相応の倫理観が必要になりそうです。
(現在では、当該技術は、主にテレビ電話の映像クオリティ向上、また歴史上の人物を登場させるVR作品の制作などへの活用が想定されている模様です)

画像: Teaser -- Synthesizing Obama: Learning Lip Sync from Audio youtu.be

Teaser -- Synthesizing Obama: Learning Lip Sync from Audio

youtu.be

▶︎▶︎まだまだあるAI活用。夢があるアート分野!▶︎▶︎

This article is a sponsored article by
''.