【結論】オウンドメディアとウェビナーは相互補完関係である
オウンドメディアとウェビナー、それぞれの特徴と課題
まずは、オウンドメディアとウェビナーそれぞれの特徴についてお話いただきました。

一般的にオウンドメディアは、認知拡大やブランディングなど、企業のマーケティング活動の一環として活用されることが多く、コンテンツ展開を通じて有益な情報を発信することで、新規顧客の獲得やファンの育成に貢献してくれる役割を担っています。
しかし、オウンドメディアへの集客は達成できても、それが本来のビジネスへの貢献に繋がりにくい点が、多くの企業の課題になっています。
一方ウェビナーは、時間を費やしてサービスや製品についての内容を聞いてもらえるため、商談や受注に繋がる可能性が高いという特性があります。しかし、参加者の集客自体が難しいという課題を抱えています。
そこでポイントとなるのが、オウンドメディアで集客したユーザーをいかにウェビナーへ送客するかということ。集客力のあるオウンドメディアで新規顧客を開拓し、ビジネスチャンスを生みやすいウェビナーに誘導する掛け合わせが重要になってくるのです。
つまり、オウンドメディアとウェビナーは強固な相互補完関係である、と村尾さんは強く主張します。では具体的にどのような手法が効果的なのか、実際の事例をいくつかご紹介していただきました。

オウンドメディアからウェビナーへの導線を強化するには
まずはオウンドメディアにてウェビナー開催の情報を露出し、導線を確保することが重要。村尾さんは、ウェビナー参加への確度を高めるためには、MA機能を活用してターゲティングすることが効果的だといいます。
具体的には、顧客情報に基づいたオーディエンスターゲティングや、コンテンツの閲覧履歴などに基づいたコンテンツターゲティングを活用し、記事コンテンツに親和性が高いウェビナーの開催情報のポップアップ表示することなどが挙げられます。

これらのターゲティングは匿名と実名の2つに分類され、1st Party CookieやMAシステムに蓄積されている履歴情報を組み合わせることでセグメントすることができます。
匿名でのターゲティングでは、再来訪や特定ページを閲覧などの要素で絞り込みが可能。また、会員情報を集めた実名でのターゲティングでは、過去に資料請求をしたことがあるユーザーや役職者、DMを送付したことがあるユーザーなど細かく絞り込みをすることができます。
つまり顧客体験を高めるためには、不特定多数に情報を発信するのではなく、広告のターゲティングと同様に的を絞ることが重要、というわけです。

メールマーケティングや動画の視聴状況なども掛け合わせ
検索経由だけでなく、あらゆる手法でユーザーを囲い込む!
さまざまなユーザーが目的を持ってオウンドメディアに訪れていますが、中でも資料請求をしたユーザーは特にサービスへの購買意欲や関心が高いことが分かります。そのようなユーザーは、製品に関する動画や関連ウェビナーへ誘導し、ビジネスチャンスに繋げていきたいところです。
また動画コンテンツを展開している場合は、未視聴ユーザーにメルマガを送付して再生を促すのが効果的。シャノンのMAツールでは動画の再生率などの数値を可視化できるため、動画の視聴状況に基づいた戦略づくりが可能になるそうです。
購買権限を持つ役職者など、より重要なターゲットにオウンドメディアを見てもらうためには、検索経由だけではなく運営者側がより積極的にアプローチすることも重要である、と村尾さんはいいます。
その戦略のひとつとして挙げられるのが、紙のDMとオウンドメディアの掛け合わせです。

例えば、キャンペーンなどに関する紙のDMを送付した後に、到着したタイミングと合わせてメルマガを自動送付し、それを見たユーザーがオウンドメディアにアクセスした際に「DMにて特別キャンペーンをご案内しました」という特別オファーのポップアップを表示するという手法。特定のユーザーをオウンドメディアに訪問させることで、有効的にウェビナーへの集客に繋げていくことが可能になります。
ウェビナーへの参加者を集めるためには、オーガニック検索で認知度を高めるだけではなく、メルマガやDMを駆使してユーザーを囲い込むことが重要、というわけです。
しかしメルマガ経由でオウンドメディアにアクセスしてもらったけれど、なかなかウェビナー参加に繋げられないと悩む企業も多いようで、村尾さんの元にもそのような声が集まってきているそうです。
村尾さんはその課題に対し「アクセスがあるだけで価値がある」と断言します。

シャノンが過去に開催したウェビナーへの参加状況を分析した結果、ウェビナー申込者のうち圧倒的多数が直近1年以内にオウンドメディアにアクセスしていたことが判明したそうです。オウンドメディアの記事に触れ、サービスへの理解が深まっているユーザーは、ウェビナー参加に繋がりやすい傾向がはっきり見て取れます。
また、オウンドメディアのリピートユーザーはメルマガの配信停止率が非常に低く、情報収集意欲が高いことが伺えます。オウンドメディアで認知と理解を獲得し、そのユーザーにターゲティングメールを送ることは、ウェビナー参加の促進はもとよりその後の購買フェーズにも大きく貢献する、と村尾さんはいいます。
ウェビナー開催で得た情報を、オウンドメディア運営に生かす!
最後に村尾さんにお話しいただいたのは、これまでの内容と逆の発想です。
ウェビナー開催後のアンケートでは、主にサービスへの認知や興味関心などの調査が可能です。例えば、複数の商材を提供している場合、商材ごとの認知状況を知ることができ、そこで得た情報を基にターゲティングを行い最適な情報を表示し、次なるアプローチに繋げることができます。
これまで「オウンドメディア」→「ウェビナー」→「受注」というシンプルな事例でお話しをしていただきましたが、実際の顧客の動きは複雑なことが多く、予想ができないこともしばしば。
そこで村尾さんがおすすめされるのが、ゴールから逆算して評価すること。受注に至った顧客はその前にウェビナーに参加していたのか、またはオウンドメディアへの訪問があったのか、蓄積した情報から逆算をすることで戦略立てに役立てられる、とのことです。

ウェビナーとオウンドメディアで強固な相互関係を構築することで、ビジネスに大きく貢献できることがわかります。
村尾さんは最後に「オウンドメディアを運営されている方は、ぜひウェビナーの開催も検討していただきたい!」と結びました。
ウィズコロナの世の中でビジネスの成功を勝ち取るには
コロナ禍以前はオフライン中心だった顧客との接点が、オンラインでのコミュニケーションに定着しつつある昨今。ウェビナーという新しい形式は、あらゆる業界において新たなビジネスチャンスを生む鍵となり、今後積極的に取り組むべき手段のひとつに違いないでしょう。
ウェビナー開催を成功に導くには、オウンドメディアとの相互補完関係が有効であること。そしてMA機能の駆使によるターゲティングアプローチが効果的であることが、今回の村尾さんのお話しでよく理解できました。
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