dinoでWebメディアを構築・運営されているお客さまにインタビュー。今回は株式会社近代映画社の小杉様に、dinoでWebメディアを立ち上げた時のエピソードや、日々のメディア運用で工夫されている点などをうかがいました。

出版社として、雑誌とWebメディアのバランスを試行錯誤

── 新たなSCREEN ONLINEをはじめる時、後ろ向きな意見は出ませんでしたか?

小杉さん

それはありますよ。……今もあります。実際にWebメディアを運用していくとなると、毎週……いや毎日毎日のことですよね。雑誌の編集をしながらWebの運用もすることになるので、スタッフからすれば仕事がどんどん増えていくことになる。やはりそこは一番問題だったし、(冒頭のように)今も課題ではあります。

── スタッフの方々を説得するに至るまでに、どういうお話があったのか非常に気になります。

小杉さん

とにかくやってください!と(笑)。「問題は後から相談しましょう、とりあえず始めないとダメなんです」くらいの勢いで話して説得しました。

新しいSCREEN ONLINEを始める時、私が最初にスタッフみんなに言ったことがあって……。

この先、残縁ながら紙(雑誌)はどんどん先細りだろう。でもその時に、SCREEN ONLINEというWebメディアを知るユーザーに「SCREENっていう雑誌があったんだ」と思ってほしい。

そのためにSCREEN ONLINEをもっと発展させよう。一方でSCREENという雑誌もしっかり続けていこう。最初は、紙とWeb(の認知度)がひっくり返っちゃうぐらいの力の入れ具合でいいんじゃないのかな。

ということを話しました。

── それから8年近く運営されているわけですが、スタッフの方に意識の変化などはありますか?

小杉さん

(新しいSCREEN ONLINEに移行した)当時は、何だかんだ言ってもスタッフはみんなやってくれていました。そこから次第に人も入れ替わると、最近の働き方改革みたいなものの中で、精神論だけで「みんな頑張ろうよ」では、なかなか難しくなりましたね。

画像: 出版社として、雑誌とWebメディアのバランスを試行錯誤

毎月21日に月刊時の発売日を迎えるので、まずは月刊誌をちゃんと校了した上で、Webも運用することになります。そうするとどうしても、Webに時間を割くのは厳しくなってきます。

逆に新しいスタッフは、初めからWebの必要性を分かっていて、むしろWebの方をやりたいというスタッフもいるようです。でもそうなってくると、……Web運用って多分沼みたいなもので、いくらでも仕事が出てくると思うんです。雑誌のように校了という締め切りがないから、毎日原稿を書こうと思えば書けますよね。逆に雑誌の仕事が止まっちゃったり。それによって関係者にもご迷惑をかけることにもなるし……。

そこのバランスは、会社としてまずどっちが本業なのかを理解してもらわないといけないと思っています。冒頭に話したように、他の映画専門のサイトと競おうと思っても、内情からしても難しいわけです。だから、雑誌を出版しているところのWebメディアとして、専門性を重視してやっていきましょうというのが、我々のスタンスですね。

Webメディア運用をしているから入れる取材もある

── Webでは紙と違うところも色々あると思いますが、雑誌と比べて、Webメディアを運用する中での面白さや難しさについて聞かせてください。

小杉さん

Webメディアをやってて良かったと思うことの一つに、Webメディアをやっているから取材ができたり広告をいただけたりする、ということがあります。今や雑誌のみでは取材に入れないところがたまにあるんです。というのも、やはり月刊誌だと記事が出るのが遅いので、宣伝媒体として必要とされないんですね。

なのでSCREEN ONLINEとして取材を申し込み、SCREEN ONLINEとして来日イベントやレッドカーペット、あるいはサウンドバイツの取材に入って、そこで動画を回してYouTube上に動画をアップする、というようなことをしています。
※ニュースなどの放送用に、短く引用される発言や映像のこと

── 速報性が求められるわけですね。

小杉さん

そうですね。他のメディアは取材したその日のうちに記事をアップしています。SCREEN ONLINEの場合は、特に動画の場合、その日のうちには難しいこともあります。

それでも早く(記事を)上げないといけないというのは、個々の主体性に任せています。そこは雑誌の編集部以外のスタッフも動いてもらっていますね。

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