新型コロナウイルスの影響による市場の変化
土肥さんによると、新型コロナウイルスによる影響は非常に大きく、2020年3月〜5月に関しては案件の失注や延期などが多発。広告主は広告出稿に対してかなり慎重になっていたと言います。
緊急事態宣言が解除された2020年6月からは、少しずつ出稿を再開しはじめた企業もあるものの未だ厳しい状況は続いているとのこと。土肥さんはこれを示す目安として、マーケティングリサーチ事業を展開する株式会社Grillの調査結果を引用しつつ、プラットフォーム・ワンとして広告主側に提案している指標を紹介してくださいました。
まずはGrillが行った、「2020年4月の広告宣伝活動に関する調査」の結果から見てみましょう。
昨年4月と比べ6割以上の企業で広告費は減少
「昨年と比較して4月の広告宣伝費はどうだったか?」という調査では、63.5%の企業が広告費は減少したと回答。ほか、変化なしが29.9%、増加したが6.6%という結果になっています。
広告費50%以上減少が8割以上
広告費が減少したと回答した企業に、「どの程度減少したのか?」を聞くと、完全ストップの100%減少が32.1%もいることが判明。
続いて4分の1まで減少した企業が34.9%、半減が18.4%という結果となり、広告費を50%以上削減した企業は全体の8割以上にのぼることが分かりました。
今後の出稿は“新しい手法を取り入れたい”が7割以上
「今後はどのような出稿方法を取るのか?」に対しては、27.8%がこれまで出稿実績のある手堅い手法に取り組みたいと考えている一方で、新しい広告手法に取り組みたいが27.4%。新しい手法も模索したいは44.8%となり、7割以上の企業が新たな広告展開に積極的なことが分かりました。
こうした調査結果を参考にプラットフォーム・ワンでは、広告主がPMPを購入する際に重視すべき3つの指標を提示しているといいます。それが下記の3点です。
1. Pricing(価格)
インプレッション 、クリック、コンバージョンに対する配信単価で、広告を出すのにいくら必要になるかの指標です。広告主からすると安ければ安いほど良く、媒体社側からすると高ければ高いほど良いので非常に難しい部分ですが、ここではCPM400円以内を指標として提案しているそうです。
2. Viewability(可視性)
配信された広告がどの程度ユーザーに見られたかの指標です。せっかく広告枠を獲得して配信しても、見られていなければ意味がありません。プラットフォーム・ワンでは、広告枠の領域のうち50%以上を1秒以上見たか?を基準にViewabilityを計測・提示しているそうです。
3. On Target Percent(ターゲット到達率)
広告を実際に見たユーザーの中に、広告主が設定したターゲットセグメントはどのくらい含まれているかを表すのが、このOn Target Percent(以下OTP)です。最近はターゲットの細分化が進み、より特化した展開を求める企業が多いことから設定されているそうで、OTP70%以上が目安になっています。
では、こうした広告主側の視点を踏まえ、媒体社が行うべき施策とは何があるのでしょうか?