運営するオウンドメディアはどのタイプに当てはまるか?
まずは2つのポイントを軸に、オウンドメディアを4つのタイプに分けていきます。
- 商材&サービス(ブランドorポータル)
- テーマ(オープンorクローズ)
タイプごとにSEOやSNSの効果が異なるため、効果的な施策もそれぞれ。参加者の皆さんも、運営するオウンドメディアがどれに該当するか比較しながら見ていきます。
商材&サービス(ブランドorポータル)
1つ目は、『ブランドかポータルか』という軸。この中で“ブランド”とは、自社で商品やサービスを取り扱っているオウンドメディアを指します。例えば、化粧品メーカー、ファッションブランド、旅館、スポーツクラブ、飲食店などが挙げられます。
対照的に“ポータル”とは、複数の商品や異なる企業のサービスを均等に取り扱っているオウンドメディアを指します。例えば、比較・口コミやツアー検索サイト、ニュースサイトなどが挙げられます。まずはこの“ブランド”か“ポータル”、2つに分類されます。
テーマ(オープンorクローズ)
2つ目は、テーマが『オープンかクローズか』という軸。“オープン”とは、ユーザーが写真を撮ったり、情報をシェアしたりするサービスや商品を指します。主に、旅行や観光・ファッションなどエンタメ系が挙げられます。写真などがシェアされやすいことから、比較的にSNSとの相性が良いとされます。
対照的に“クローズ”は、ユーザーが実名で情報を積極的にオープンにしないサービスや商品を指します。主に人材系や結婚・保険などが挙げられ、周囲に相談しづらく、SNSでほとんどシェアされないジャンルです。また、ネットで情報が流通しづらいBtoBサービスについても、この“クローズ”に分類することとします。
この2つの軸を掛け合わせて、A〜Dの4つにタイプを分けていきます。ちなみに「運営するオウンドメディアはどのタイプに当てはまりますか?」という岡崎さんの問いに対して、参加者の皆さんからは「A」または「B」という回答が多いようでした。
それぞれのタイプについて岡崎さんが傾向や特徴を解説していきます。
A:ブランド×オープン
ブランドに一定数のファンがいるため、そのコミュニティを中心にSNSでシェアされやすいのが特徴。その一方で検索対象となるキーワードが少ないためSEO面には比較的弱く、SNS連動や動画の活用が主要施策となる。新規顧客に向けた施策よりも、既存顧客のためにコンテンツを配信しエンゲージメントを高めることが重要。
B:ポータル×オープン
複数企業の商品やサービスを取り扱うポータルメディアでは、商品名と口コミを掛け合わせた展開が主要施策となる。比較レビューなどのコンテンツ展開や、購入直前のキーワードに対するSEO施策が有効的。既存顧客はもちろん、顕在層へアプローチすることでファンの囲い込みが期待できる。
C:ブランド×クローズ
商品が少なくSEO施策が限定的なうえに、SNSでもほぼシェアが期待できない分野。特に健康食品や美容などは広告単価が高くなりやすいため、広告費削減を狙った施策が効果的となる。顕在層から顧客に、顧客からリピーターにと転換させることがミッションであり、資料請求者やメルマガ購読者に向けてコンテンツを配信してエンゲージメントを高めることが重要となる。
D:ポータル×クローズ
たとえば転職サイトなど、表でシェアされることが少ないが、比較したい情報が多い分野。ユーザーが不安を抱えるテーマであるため、ポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報もバランス良く伝えることが信頼に繋がる。資料請求をしたユーザーに向けたメルマガ連動コンテンツを定期発信することも有効となる。
以上が4つのタイプの特徴です。オウンドメディア運営の施策として、自社メディアがどのタイプに属するのか分類して考えることが重要と説く岡崎さん。「オウンドメディアに施策を検討する際、他社の成功事例が目に入ると、つい同じ手法を取り入れてしまいがちです。手段ばかりが先行し、費用対効果を考慮できていないケースが多く見受けられます」と指摘しました。
「中でもSEOやSNSは直接的な費用をかけずに着手できるため、誰もが真っ先に取り組む施策です。しかし真面目に運用すればするほど相応の人的リソースが割かれる施策でもあり、その費用対効果はメディアのタイプにより大きく差が出ます。一見魅力的な施策であっても、自社メディアのターゲットや商材にマッチしているかを見極めることが重要と言えるでしょう」と岡崎さんは締めくくりました。
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今回岡崎さんのお話で、運営するオウンドメディアがどんなタイプなのか、位置付けをきちんと把握することが重要だということが理解できました。
オウンドメディアを取り巻く環境は常に変化し、スピードが早いからこそ流行に流されて手段を選んでしまいがち。誰に向けたコンテンツなのかしっかり考え、それぞれに合った施策を立てることがオウンドメディア運営の成功に導く鍵となるでしょう。
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