昨年、つまり2019年の日本国内での洋画興行収入第1位に輝いたのは、ディズニーの「アラジン」だそうです。賢明なる読者の皆さんならば「アラジン」は中東で生まれた説話集『アラビアンナイト』に収められた物語の一つであることはご存じですよね。「アリババと40人の盗賊」や「シンドバッドの冒険」などと並んで、ディズニーアニメで日本人の間でもよく知られるエピソードです。
この『アラビアンナイト』(日本では古くは千夜一夜物語として紹介されました)は、コンテンツマーケティングの威力を伝える、偉大なる証左の一つと思いますので、ちょっと紹介しましょう。

妃の浮気によって心に傷を負った王と、そのトラウマを癒した賢い娘の話

昔々そのまた昔、中東のある国を治めていた王がいたのですが、ある時愛する妃の浮気を発見してしまい、深く傷つきます。すっかり女性不信になってしまった王は、妃を処刑するだけでは足りず、国内の生娘を宮殿に呼んで一夜の夜伽をさせては首を跳ねるという悪習を始めてしまいます。
このままでは国内に若い女がいなくなってしまう・・・・そんな恐怖と不安に国内が慄いたそのとき、ある大臣の娘が名乗りをあげ、王の寝室へと向かいます。

彼女は王に対して毎日面白い物語を話してきかせると約束、気に入らなかったらすぐ首を跳ねろと言い放ちます。果たして王は彼女の話を気に入り、毎日楽しみにするようになるのです。やがてさすがの大臣の娘も話すネタが尽きる日がやってきますが、その頃には王のトラウマは解消され、彼女は王の正式な妃となりますし、王も生娘を殺害するような悪習をあらため、善王としての治世を送るようになる、というお話、それが『アラビアンナイト』なわけです。
(彼女が話す物語の中にアラジンやシンドバットらが登場してくるわけで、長いこと続いたその夜毎のお話をまとめているので千夜一夜物語、と呼ばれるようになるのです)

有効なコンテンツを正しい相手に届けること。繰り返し、惓まず飽きず....... それがコンテンツマーケティング。

つまり、かたくなにこじれた王の心を癒すほどの威力を持つ、数々の物語が集められているのが『アラビアンナイト』。簡単にいえば、よいコンテンツを生み出して、それを欲している相手に適宜届けることで目的を達しようと考えること、これはまさしくコンテンツマーケティングそのものです。
そう、『アラビアンナイト』とは、コンテンツマーケティングの威力効力は遥か昔から有効であることを示す、絶好の証明であるのです。

女なんて見た目はどんなに綺麗でも男を裏切る悪魔だ。こじらせキャラのこの王はたぶん、そんな感じで拗ねきっていたのでしょう。しかし、賢い大臣の娘は上手に彼の凍りついた心を癒し和らげ蕩かせていきました。彼女が話聞かせた物語は、魔法のランプやその中に囚われた魔神ジーニー、空飛ぶ絨毯、そして賢くて美しい姫 ジャスミンなど、超魅力的なキャラクター満載な「アラジン」だったり、シンドバットの大冒険だったりと、とにかく一つ一つがめちゃくちゃ面白い。それでも、最終目的を達するまでには、一発のコンテンツで効果を上げるのではなく、千夜一夜(実際の『アラビアンナイト』にはそんなにたくさんの物語はないらしいです)続ける必要があった。つまり、とっておきの一つのコンテンツに賭けるのではなく、質はよくてもやはり相当の数を用意して、コツコツ充てていくことが大事だということです。

大臣の娘は、千夜一夜の間、とにかく面白い物語を聞かせることだけにフォーカスして、いつ効果が現れるかわからない中でも徹底してやり通しました。これが大事です。
若くて美しい自分の性的魅力を試してみようとか、酒を飲みながらの楽しく臨機応変なトークをためしてみようとはしなかった。マンネリのようでも、楽しく興味深い物語を話して聴かせる、というやり方を貫き通したのです。

もちろん毎日の物語のテーマや作風を変えるなどの工夫はあったかもしれないし、一晩で語り尽くせなくて、数夜で一本の物語が終わる、つまり「続きは明日の夜」ということもあったと思いますが、とにかく物語を話して聴かせることに拘って徹底した。
僕はここにコンテンツマーケティングの要諦があると考えます。

千夜一夜、つまりざっくり3年くらい腰を据えて取り組む真摯さ・愚直さ、そして根気。即興力や短期間での勝負を仕掛けるのではなく、真っ向から時間をかけて取り組む真面目さがあってこその成果だったのでは、と思うのです。

コンテンツマーケティングに取り組もうと考えるお客様には即効性を求める方もいらっしゃいますが、やはり最終的な成果をあげるには、ある程度の時間をかけてじっくり取り組む必要があると僕たちも根気よくお伝えしなければならない、そう思います。

画像: コンテンツマーケティング物語??『アラビアンナイト』に学べ

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。

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