スター・ウォーズシリーズ最新作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は、毀誉褒貶はありながらも大ヒットしているようですね。
42年の歴史にピリオドを打つ作品ではありますが、テレビドラマシリーズでは、ボバ・フェットを彷彿させる賞金稼ぎが活躍するスピンオフ作品『マンダロリアン』が人気を集め始めていたりと、さすが世界的レジェンドのIP(知的財産)だけに、ビジネスに聡いディズニーがほっておくはずないです。
若い人の中にはスター・ウォーズシリーズを一本も見たことがない人も多いでしょうが、このシリーズはある意味ギリシア・ローマ文明やキリスト教を知るならのと同じように欧米文化を理解するのに必要な、世界標準的教養の一つに数えられると言えるかもしれません。
実際、スター・ウォーズシリーズには、世界中で通じる至言や名言が溢れているのです。

今回のブログのタイトルもまた、その一つです。

Do. or Do not. There is no Try (「やる」か「やらない」かだ。「試し」などない)

数多くの名言の中で、最も知られているのは、やはり「MAY THE FORCE BE WITH YOU(フォースとともにあれ)」でしょう。

全9作と幾多のスピンオフコンテンツを持つシリーズの中でも、数多くのキャラクターが口にし、幾度となく登場するこの言葉。スター・ウォーズはフォースと呼ばれる一種の超能力を使いこなす者たち(善のジェダイと悪のシス)の闘いを中心に展開される物語なわけですが、その超能力を獲得する資質を持たない凡庸な人間たちにとっては、フォースは神の御業に近いもので信仰の対象ともなっている。なのでGOD BLESS YOUと同様な使われ方をしているわけですね。

それに比べて、より人間的というか、神ならぬ身と心に深く刺さるのが、ジェダイの中のジェダイ、マスター・ヨーダの言葉。

一般的に幼年期からでないと成果が現れづらいらしいジェダイの修行ですが、既に引退、隠遁生活に入っていたマスター・ヨーダは、ジェダイ最後の希望であるルーク・スカイウォーカーの修行を手助けを行うことになります。

そもそもフォースの存在や、その力に対して“ある意味良識的というか常識に縛られている大人である”ルークはどこか懐疑的。ヨーダが沼に沈んだ宇宙戦闘機Xウィングをフォースで浮かび上がらせろ、と指示すると、ルークはできっこないと首を振ります。師匠の命令を拒否すること自体、じゃあ来んなよ!ボケっ!と言いたいところですが、マスター・ヨーダは怒りを見せず、なおも「やれ」と指示します。

しゃあねえな、という疑いと諦念の表情を露骨に見せながら、ルークは「(はいはい、わかりましたよ、やればいいんでしょ、やれば、と言いたげに)じゃあやってみます、できないと思うけど」と言い、その言葉のとおり イヤイヤやってみて、当然のごとく失敗します。
ほら、やっぱ無理でしょ、言ったでしょ、ボク、と言わんばかりにその場を離れようとするルークですが、そのとき信じられない光景を目にします。

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