帆船やヨットが追い風をいっぱい帆にはらませて力強く前進する姿、実に雄々しいですね。
でも、向かい風のときでも彼らは前進できるということをご存じでしたか?帆を斜めに張ったり、複数の帆の角度を変えることによって、帆船もヨットも前に進む力を得るのです。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行による景気低迷期に直面している我々ですが、ピンチをチャンスに変えて、この逆風の中でも前に進む力を生み出そうではありませんか。

ベンチャーあるいはスタートアップは海賊船?

首都圏の緊急事態宣言の解除が実現するかどうか、多くの人が巣篭もりしながらヤキモキしている状況です。たとえ緊急事態宣言が予定より(2020年5月31日よりも早く)解除されても、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対策を疎かにしていいわけではないですが、基本的に景気は気分次第ですから、自粛ムードが多少でも緩めば人々の生活にも明るさが戻ることになるのでしょう。
とはいえ、多くの企業を取り巻く厳しい環境がすぐに緩和されるかどうかは全くわかりませんが・・

ベンチャー企業もしくはスタートアップの経営者、簡単に言えば起業家のことを、海賊に例えることがよくあります。いまでは世界経済の行方を左右する強大なIT企業群GAFA(Google/Apple/Facebook/Amazonのこと。4社の頭文字をとってGAFAと呼ぶが、ここにMicrosoftを入れてGAFAMあるいはMAGFAと呼ぶこともある)の一員として知らぬ者がいない、Apple(アップル)の共同創業者であり伝説のCEO、かのスティーブ・ジョブズが自ら自分たち(=ジョブズ自身と、Macの開発に携わったチーム)を海賊になぞらえたことも有名な話です。

ここでいう海賊は、あくまで18−19世紀に活躍した?欧米系の海賊=スティーブンソンの「宝島」に登場する海賊シルバーや、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」などディズニー的なイメージ もしくは「ワンピース」的なイメージであって、あくまで現実に略奪行為を繰り返す犯罪者を意味するわけではないことは言うまでもありません。

何が起こるかわからない未知の世界である海洋に乗り出し、国家の後ろ盾を持たず、いつ死ぬかもわからない日々の中でも、陽気に飲んだくれて大笑していられるクソ度胸を持つ屈強な輩。そんな彼らが持つ刹那的な生の輝きに憧れる気持ちに共感する人は多いでしょう。もちろん、人生安定しているに越したことがないと考える人も当然多いでしょうが、それでも、どうせ死ぬんだから楽しく生きてやろう、という彼らの死生観は、Memennt Moriや日本の傾奇者(かぶきもの)などの生への執着よりも如何に生きて如何に死ぬかの美学と同一のものであり、裸一貫で創業して、失敗して破産するか、成功して億万長者になるか、という一大勝負に賭ける起業家の気分にとても近い、とは言えると思います。

余談ですが、海賊旗として有名な「ジョリー・ロジャー」(いわゆるスカル&ボーンズ。黒地に頭蓋骨とクロスされた2本の大腿骨の意匠)は、襲撃した相手に"降伏か死か"を選ばせるための威圧を意味すると同時に、襲撃時の戦いで命を落としたり、拿捕されて死刑に処せられる、もしくは航行中に沈没して死ぬかもしれない、という常に死と隣り合わせに生きていることを意味していると言います。

ちなみに、起業家とその仲間たちが海賊であるならば、彼らが取り組んでいるプロジェクトもしくは創業した会社は、海賊船といえるでしょう。
一般的に、海賊船と言ったらやっぱりパイレーツ・オブ・カリビアンに登場するような帆船です。特に、主人公ジャック・スパロウ船長の愛船「ブラック・パール」を思い浮かべることと思います。

海賊船は向かい風の中を雄々しく前進する

冒頭で書いたように、複数の、少しずつ形や大きさの違う帆を持つ帆船は、追い風のときだけでなく、向かい風のときでも前に進むことができます。(エンジンやモーターという駆動機を備える現代の船、もしくは櫓を使って前進できる船があることは言うまでもありませんが、ここで書いている意味は、帆の力=風の力のみでも、向かい風を利用して前進する力に変換できる、という意味です)

僕はヨットを保有しているわけではないし船乗りでもないので、ここではその仕組みについて細かく説明はしません(できません)。あくまで簡単に触れるだけにさせていただきますが、帆船が向かい風をも前進する力に変える秘密は、飛行機が空を飛ぶ仕組みにとても似ています。

飛行機が空を飛べるのは、翼に風を受けることによって揚力 を生じさせ、機体を浮かすからです。帆船では風に対する帆の角度を変えることで揚力を生じさせ、この揚力を使って前に進む力へと変えているのです。

sちなみに、船の場合、船底に竜骨(キール)と呼ばれるパーツがあり、船体の強度向上に使われると同時に、帆が受けた力を 水中で縦に変換するために役立っています。このキールによって船は帆で受けた向かい風によって後退することなく、前に進むことができるのです。

つまり、斜めに動かすことができる帆と、(水中の翼とも言える)キールの存在によって、帆船は追い風だけでなく、向かい風の中でも前に進むことができるのです。

向かい風を利用して前に進め。ピンチをチャンスに換える知恵とクソ度胸を持て

現在、日本、いや世界全体がCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行による経済の一大低迷期に直面しています。僕自身は、この感染症自体は致死率も高くない、インフルエンザの脅威と比較してもそれほど恐れる必要がないと考えていますが、その感染者数や重篤者数の増加を止める必要性は理解しています。そして、現実問題として、その代償として世界的に急ブレーキをかけられた経済は、今後多くの倒産や失業を生む可能性が高いとも思っています。その余波≒悪影響は、人類史においてもっとも深刻なものになるかもしれません。

つまり、かつてない逆風が吹き荒れているわけですが、この時代に生きる我々としては、どんな向かい風が吹こうが嵐や雷鳴が来ようが、とにかく生きていかねばなりません、前に進むことを諦めてはならないのです。

僕自身は、これまでの人生のなかで、幾多の逆境で生き抜いてきた経験と、それによって得られた一種の狂気にも似た知恵と度胸(生存本能と言ってもいいかもしれません)がありますが、20代の若い起業家は、初めての本格的な逆風にさらされたような恐怖に途方に暮れているかもしれません。

しかし、怯えようが大騒ぎしようが、逆に不敵に笑おうとも、現実は変わらず、人生は一度きりです。この未曾有の逆風をうまく使って揚力を生み出してやろうではないですか。
その向かい風の中を堂々と雄々しく前進して見せたとしたら、誰もが目を見張るほどかっこいいはず。

ピンチをチャンスに換えるのは、知恵とクソ度胸です。
嵐の中で鼻歌を歌ってみせたら、こんなにカッコいいことはない。そう思いませんか。

画像: 逆風でも前に進むために。
海賊であり続けるために。

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。dino.network発行人。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。

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