コンテンツマーケティングやWebメディアをテーマに定期開催している小規模勉強会「Workshop@THE FACTORY」。2020年03月26日に開催された第33回のレポートをお届けします。講師としてお越しいただいたのは、株式会社アマナデザインにて取締役を務める釜田俊介氏。テーマは『GDPR、ITP2.0から逆算する次世代のデジタルコミュニケーションの姿』です。

ゲスト講師:
株式会社アマナデザイン 取締役 釜田 俊介 氏

釜田俊介
ニューヨーク市立大学を卒業後、株式会社アマナインタラクティブに新卒入社。プロデューサーとしてモバイルメディア事業やコンテンツマーケティング事業に従事。2016年より株式会社アマナデザインに転任、現在は同社取締役としてコンテンツマーケティング事業を担当している。

広告写真の制作会社として1979年にスタートして以来、時代の潮流を見極め、年々事業を拡大してきたアマナグループ。現在ではTV CM・グラフィックデザイン・Webサイトのプランニング・エディトリアル・イベントの提案から運営まで、ありとあらゆるコンテンツを制作するエキスパート集団として事業を展開しています。

そんなアマナグループのなかでも、その表現力と技術力を最大限に活かしたプランニング&デザインを軸に事業展開するのが株式会社アマナデザイン。今回講師としてきていただいた釜田氏が取締役を務める企業です。

ここではコンテンツ制作の最先端にいる同氏に、『GDPR、ITP2.0から逆算する次世代のデジタルコミュニケーションの姿』について語っていただきました。

GDPR、ITP2.0とはなにか。

釜田さんによるプレゼンテーションをご紹介する前に、GDPR、ITP2.0とは何か? をまず解説いたします。

GDPRとは?

GDPRとは、EUにて2016年に制定、2018年5月25日に施行されたGeneral Data Protection Regulation(一般データ保護規則)のことです。ここで規制されるのは、氏名、住所、写真、メールアドレスや医療情報、PCのIPアドレスやCookieといった個人に関するあらゆる情報であり、その取得に対してはユーザーの同意が必要となるほか、取得した情報を保持する期間も限定されます。

本案は、EU圏内に支社や支店のある企業、EU圏内のユーザーを対象にした商品やサービス、旅行や出張などで一時的にEUに滞在している人の個人データも罰則の対象に含まれるため、日本を含め全世界に影響を及ぼしていると言えます。

ITP2.0とは?

ITPとはIntelligent Tracking Preventionの略称で、AppleがSafariブラウザを対象に実装したプライバシー保護、セキュリティ強化を目的としたトラッキング抑止機能のことです。ITP2.0では、これまで24時間保持されていたサードパーティCookieは、即時破棄という厳しいものに変更されました。2020年4月現在、ITPは2.3まで発表されており、その効果範囲は今後さらに拡大すると予想されます。

上記2つの事項は、Cookieを利用するターゲティング広告やアフィリエイト広告といった、これまで主流となっていたWebマーケティング施策に大打撃を与えました。

1990年代よりインターネットが普及し、情報化社会として大きく発展してきた世の中が、いま大きな転換期を迎えようとしているわけです。

画像: ITP2.0とは?

それではさっそく、釜田さんのプレゼンテーションをご紹介していきましょう。

THE FUTURE IS PRIVATE

釜田さんはまず、今後の世界の在り方を象徴する言葉として、「THE FUTURE IS PRIVATE(未来はプライベートなものになる)」を例示します。

これは英国の政治コンサルティング会社によるFacebookの個人データ不正収集疑惑を受け、2019年にFacebookの最高経営責任者マーク・ザッカーバーグ氏が同社カンファレンスにて発したものです。

GDPRやITP2.0といった個人情報保護の流れ、そして世界が注目する場でのザッカーバーグ氏のこの発言、ここから世界は個人情報保護へと大きく傾いていきます。

実際、2020年1月にはGoolgleも「2年以内にGoogle Chromeで広告目的のCookie利用を規制する」と発表しました。2年以内とありますが、Googleは発表後すぐに規制を開始しています。釜田さんによると、アメリカではこの影響で倒産したマーケティング会社もあると言います。

こうした背景を受けて、我々が今後取るべき施策とはなんなのか? これが今回、釜田さんにお話しいただいたテーマです。

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