反面、日本の場合は忍者装束(古くは鞍馬天狗とかね。知ってる?)に代表されるように基本的に鼻と口を隠して目は剥き出し、が多いようです。
こういう文化的な違いが、マスクをしたいしたくないという気分に関わってるんじゃないですかね、という話です。
マスクをしたがらない欧米人のナゼ
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)騒動の中、街中ではめっきり人気が減ってきています。もちろん多少は歩いている人もいるわけですが、私感ではそのうちの90%くらいはマスク着用してますね。
欧米人がマスク嫌いなのは間違いないと思いますが、それでもさすがにこれだけCOVID-19(新型コロナウィルス感染症)騒動が大きくなれば、そうも言ってられないようで、少なくとも日本のテレビメディアが報じる街の様子を見る限り、街行く人々もマスクをしているようです。(ウイルス感染の恐怖を題材にした映画『コンテイジョン』でも、市民たちはマスクをしていました)
マスクは基本的に飛沫感染(くしゃみとか咳とか、大声で喋るとかして唾が飛んで、そこに含まれる細菌やウイルスにうつること)を防ぐために使うもので、健康な人がマスクを普段から着用する意味はあまりないと思いますが、このCOVID-19騒動が起きる前でも、日本では 医療目的というよりは“顔を隠す”目的でマスクを着用するのが(特に若者の間で)流行して、その結果(本来の眩しさ軽減とか紫外線カットの効用とは違って同じく顔を隠す、ファッションとしての)サングラスが売れなくなっているというニュースがありました。
黒やピンクなどのカラフルなマスクがよく売れるというのも、マスクが医療用の目的を超えて、日常的なファッションアイテムの要素を持ち始めていた、という証左と思います。
これも日本の“ガラパゴス”的なトレンドのようですので、まとめてみれば、日本人はマスク好き、少なくともマスクをつけることに違和感や拒否感がない、ということが言えるでしょう。
そんな我々日本人に対して、欧米人があまりマスクをつけたがらないことを、かなり不思議に感じる人は多いのではないでしょうか?
我が国のリーダーである安倍晋三首相が、顎が飛び出る、ちょっと不格好なマスク姿を晒しているのに対して、トランプ米国大統領が頑なにマスクを拒否している様子は、僕はなんだか微笑ましく感じます。(かくいう僕も、マスクは嫌いです。今日の状況を考えると、マスク着用は一種のマナーであり、してないと入れない場所があったりするので、強烈な同調圧力を避けるためにも どこにいくにも必ずマスクは持っています)
アメコミのスーパーヒーローたちは国境を超えて世界的な知名度を持っていますが、その多くは目元は隠していても口元は見せたままにしている場合が多いことに、僕は常々違和感を持っていました。バットマンにしてもフラッシュにしても、どうせならスパイダーマンやデッドプールみたいに全部隠せばいいのに、と思っていました。
なぜ目元の変化だけで正体を隠せると思うんだろう?なぜ口元を隠さないんだろう?スーパーマンなんて、(正体である)クラーク・ケントが眼鏡外したくらいで別人になれるなんてあり得ないだろう、なんだそれ、と心の中で幾千万回突っ込んだことか。
彼らの“マスク”姿を不自然に思っていたことが、昨今の(感染予防目的の)マスク着用を嬉々として?行う日本人と、嫌々行う?欧米人の違いはなんだろうという疑問と合わさって、とても気になるようになってきているのです。
十字軍時代の苦戦の記憶を引きずってる?
なにごとにおいても、問題解決を考えることが起業家としての役割(すなわち、社会的な問題をディスラプトしようとすることですね)と思いますが、それには科学的なアプローチが必要と考えています。
つまり、まず、その問題の原因がなんであるかを考え、仮説を立て、その仮説が正しいかどうかを検証する。そしてその仮説が正しければ、問題を解決する方法を研究し、また仮説を立てます。そのうえで、その仮説が正しいかどうかの検証を行うわけです。
すなわち、欧米人がマスクをあまりしたがらないのは、(アメコミの)ヒーローたちが目元を隠して口元を隠さない傾向にあることと根は同じ、つまり逆に口元を隠す者をアンチヒーローもしくはヴィラン側、もっとはっきり言えば不審者というか邪悪な側にある者だと無意識に感じているからではないか?と考えたわけです。
そして、その根源的な忌避感は、口元を隠すその姿が、彼らキリスト教徒にとっての最大のライバルである、イスラム信者たちの装束を思い起こさせるからではないか?という仮説を僕は立てました。もっというと、十字軍派兵時代に染みついた習性なのではないか?という仮説です。
欧米人がネズミを嫌うのはペスト(黒死病)が大流行した中世の記憶のせいだと聞いたことがあります(そのわりに米国生まれの世界一有名なキャラクターはネズミ由来なのが不思議ですが)。
同じように、彼らのマスク嫌い、というか口元を覆う姿に対する忌避感は、イスラム教国に痛めつけられた頃の記憶から来るのではないか?と思ったのです。
科学的アプローチには、仮説を立てた後にそれの検証を行う必要がありますが、今のところ(歴史学者でもなく民俗学者でもない僕は)この仮説への検証はしていません。また、検証したところで、僕が新たに何かをする必要性もないからです。なので、それは違う!という反論がある場合は、優しくお教えください、ツッコミや批評は必要ないです、違うなら違うで別に良いのですから。
ただ、物事に対して、なぜ?と疑問を持ち、それについて考えてみるという、知的探究心があれば、現在の STAYHOME トレンド下であってもいろいろ楽しく過ごせるのではないかなと思い、書き連ねてみた次第です。
あくまで雑感ですので、軽く御笑覧いただければ、幸甚です。
ネットフリックス、加入者大幅増 巣ごもり、3カ月で1577万人(共同通信)
〜Yahoo!ニュースより
【ニューヨーク共同】米動画配信大手ネットフリックスは21日、世界の有料加入者数が3月末時点で1億8286万人と、昨年12月末時点から1577万人(9%)増えたと発表した。市場予想の2倍程度伸びた。新型コロナウイルスの感染拡大で、外出を控えて自宅で過ごす「巣ごもり需要」が高まり成長が加速。2020年1~3月期決算は増収増益になった。
ちなみに、僕がコンテンツマーケティングの創造的破壊者(ブロックバスター)の最高例として常々その名を挙げているNetflixですが、この世界的な景気減速時期にあって、大きく業績を伸ばしているようです。(自粛ムードで続く自宅生活の無聊を託つ人々に)最上のエンターテインメントを提供する、動画ストリーミングサービスの雄にとって、COVIDー19パニックはある意味神風状況になっているようです。
やり過ぎではないかと多方面から批判を受けることもあったコンテンツ制作への投資ですが、現在の状況(多くのコンテンツプロバイダーが手持ちコンテンツの不足に喘ぎ始めている状況。例えばテレビ局は新作ドラマを撮影できず、過去作品の再放送や再編集で凌がざるを得ない状態です)を見ると、Netflixの経営判断はまさしく正しかったと言わざるを得ないでしょう。
小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。
ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。